ピレリが、2020年のF1世界選手権 第9戦 F1トスカーナGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。F1トスカーナGPは、複数回のセーフティカー導入と2回の赤旗中断の影響を受け、アクション満載のエキサイティングなレースとなった。このため、各チームは、変化する状況に迅速に対応し、保有するタイヤを使用してレース展開に応じた戦略を実行する必要があった。
赤旗に関するレギュレーションによって、各チームは、タイヤ交換や特定のマシン補修を行うことができた。メルセデスがレースを席巻し、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがトップを奪い合った。両ドライバーは、全3種類のコンパウンドを使用したまったく同一の戦略を採った。レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが、アンダーカットによってトラックポジションを上げていたルノーのダニエル・リカルドをオーバーテイクして初の表彰台獲得を達成した。リカルドは、ドライバー・オブ・ザ・デーに選ばれた。また、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、キャリアベストの11位でフィニッシュした。ピレリがタイトルスポンサーを務めたトスカーナ・フェラーリ1000グランプリでの完走車はわずか12台だった。このグランプリは、フェラーリにとっての1000レース目を記念するものだった。■各コンパウンドのパフォーマンス【ハードC1】最初の再スタート後、上位チームでハードを使用したのはメルセデスとフェラーリのみだった。ハードタイヤは、高速なムジェロ・サーキットの厳しさに適応していた。【ミディアムC2】ミディアムでスタートしてポイント圏内でフィニッシュしたドライバーは、ダニール・クビアトとキミ・ライコネンのみだった。クビアトは7位を、ライコネンは9位を獲得した。【ソフトC3】トップ10グリッドの全ドライバーが、ソフトを装着してスタートした。また、2回目の再スタート後、全ドライバーがソフトでファイナルスティントを走行した。マリオ・イゾラ(ピレリ カーレーシング責任者)「ムジェロでの初開催グランプリは、長く人々の記憶に留まるレースとなりました。このレースは、3回のスタート、3回のセーフティカー導入、全3種類のコンパウンド登場などによって終始アクション満載となりました。メルセデスが、高温のコンディション下、非常にタイヤに厳しいサーキットで行われたレースをスタートからフィニッシュまで席巻しましたが、普通でない出来事の発生が戦略に明らかな影響を及ぼしました。また、数多くの接触事故が、トラック上に大量のカーボンファイバーのデブリを残しました。再スタートのマネージメントと、長い午後を通したタイヤのケアが重要になりました。強烈なプレッシャーの下、すべてのドライバーが素晴らしい仕事をし、2週連続開催のイタリアでのグランプリで、予測不可能でスリリングなレースを見せてくれました」
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