ピレリの2018年仕様のF1タイヤを復活させるという提案は、オーストリアでの重要な会議で10チームの意見が50対50に割れ、否決となった。シーズン中にタイヤの仕様を変更するには安全上の理由、もしくは10チーム中7チームの支持が必要となる。F1オーストリアGPのフリー走行に先駆けて、レッドブル・リンクで2018年のトレッドの厚いタイヤに戻すことが議論された。
会議には全チームのチーム代表、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ、F1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウン、FIAの技術責任者のニコラス・トンバジス、そして、ピレリのカーレース責任者を務めるマリオ・イゾラが参加。ドライバーからはGPDA会長のアレックス・ブルツ、ディレクターのロマン・グロージャンとセバスチャン・ベッテル、そして、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールが参加した。会議では、すべての関係者によって意見が交換された。ピレリは安全面を強調し、今年のトレッドの厚さを0.4mmへ減らしたタイヤは、2018年に発生したオーバーヒートとブリスターの問題を解消するためであったことを指摘。また、マリオ・イゾラは、トレッドの厚さを変更したとしても、作動ウインドウの狭さは変わらないと述べた。情報筋によると、議論は全般的に前向きなものであり、デグラデーションが少なく、作動ウインドウが広いことが望ましいこと、ダウンフォースが少ない場合はタイヤを機能させることができないという意見で一致したという。レッドブル&トロロッソ、フェラーリとカスタマーのハースとアルファロメオは変更を支持。メルセデスとカスタマーのウィリアムズ、レーシングポイント、そして、マクラーレンとルノーが反対票を投じたという。また、生産スケジュールが許せば、今年の金曜日のレース週末に2020本のタイヤをテストするべきだという提案がありましたが、明確な決定は行われなかった。