最終戦のアブダビグランプリ直後に行われた今シーズン最後のインシーズンテストで、ピレリの2015年型タイヤがデビューした。今回のテストではタイヤ専用テストは実施されず、各チームは独自のプログラムに専念した。2014年シーズンを通して、各チームにはテスト用に135セットのタイヤが割り当てられている。最終テストでは、このうちの10セットが2015年用の新型タイヤに置き換えられた。
ピレリは、今回のアブダビテストに2015年型最終仕様のミディアム、ソフト、スーパーソフトを持ち込んだ。新仕様というよりは現行タイヤの改良版となる2015年型タイヤの第一印象を確認するために、全チームには、この2日間のテストの中で新型タイヤを試す機会が与えられた。今回は、新型タイヤのテストを含め、多くのチームが2015年に向けて新人ドライバーと新型パーツのテストを行った。日中に路面温度と気温が上昇している中で計測されたテストのラップタイムは、夕方に行われた予選・決勝時の下降する温度下におけるタイムとは有効な比較はできなかったが、ドライバーたちからは、2015年型P Zeroタイヤの仕様についてのポジティブなフィードバックが得られている2日間ともに暖かいドライコンディション下でテストが行わした。火曜日の最高路面温度は44℃(最高気温は33℃)、水曜日の最高路面温度は43℃(最高気温は32℃)だった。2日間を通した最速タイムは、2日目の終盤にメルセデスのパスカル・ウェーレインがスーパーソフトタイヤで記録した1分42秒624だった。1日目の最多周回は、メルセデスのニコ・ロズベルグによる114周だった。2日目は、ザウバーのマーカス・エリクソンによる112周だった。テストでは、2014年型タイヤレンジ中の全4種類のスリックタイヤに加えて、2015年型仕様のミディアム、ソフト、スーパーソフトが供給された。2015年型タイヤによって合計454周の走行が行われ、現行の2014年型タイヤによって合計903周の走行が行れた。次回のテストは、南スペインのヘレスで来年2月1〜4日に行われる第1回の公式プレシーズンテスト。それに続き、バルセロナで2月19〜22日と2月26〜3月1日に、2回のプレシーズンテストが行われる予定となっている。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「ドライバーたちから新型タイヤについての第一印象を聞くことができて大変嬉しく思います。我々が目指してきた改良が効果を上げているようです。特にリアタイヤの接地面近くのベルトエリアで、いくつかの細かい変更が加えられました。新しいタイヤ構造では、均等に熱が伝わるようにタイヤ内の温度伝達が最適化され、より安定した性能と良好なトラクションを確保しています。また、新型スーパーソフトコンパウンドでは、リアタイヤのメカニカル抵抗が改善されています。2015年型タイヤの狙いは、これまでと同様に決勝で2〜3回のピットストップを提供することです。2015年の最も大きな要素のひとつは、言うまでもなくマシンの改善です。来年は、ラップあたり1秒以上速いマシンが登場すると期待されていて、タイヤの動作にも明らかに影響を及ぼすと思います」
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