ピレリは、F1中国GPの予選でバルテリ・ボッタスがバックストレートで316km/hを記録したことを“奇跡の走り”と称賛した。周囲を走行するマシンからの水しぶきによって視界が非常に悪い中、バルテリ・ボッタスは、Cinturato グリーン・インターミディエイトタイヤでこの速度を計測した。バルテリ・ボッタスが通常使用するF1タイヤは、乗用車用タイヤと異なり、幅が非常に広いため、アクアプレーニングを抑制することが難しい。
さらに、F1デビューからわずか2年目のバルテリ・ボッタスは、この離れ業をフルウェト用のタイヤではないピレリタイヤで成し遂げた。ボッタスが実践した通り、トレッドの溝の深さが2.5mmしかないインターミディエイトタイヤは、フルスピード走行時、タイヤあたり1秒間で25リッターを排水することができる。(すなわち、1台のマシンで秒あたり100リッターを排水することが可能) このため、タイヤと路面間の最適な接地面が維持される。フルウェットコンディション用のタイヤとして、Cinturato ブルー・フルウェットタイヤが供給されている。このタイヤは、フルスピード走行時、タイヤあたり1秒間に65リッターを排水することができる。この技術は、ピレリの乗用車用タイヤにも受け継がれている。特に雨天時の性能に重きを置いた乗用車用タイヤである Cinturato P7 Buleは、Cinturato Formula oneタイヤのエクストリームな雨天性能から学んだ教訓を活かして開発された。結果として、Cinturato P7 Blueは、競合製品と比較して、ウェット時のブレーキ制動距離を9%短縮。また、Cinturato P7 Blueは、新しいタイヤの性能を格付けする新ヨーロッパタイヤラベリング制動によって、初の“AA”認定を受けたタイヤでもある。今シーズンのF1レギュレーションはダウンフォースを削減したため、マシンのドラッグが減少し、トップスピードが昨年よりも速くなっている。したがって、モンツァのような長いストレートが特徴の高速サーキットにおいて、今シーズンのマシンはラップレコードを更新し、同時にストレートでの最高速度記録を樹立する可能性がある。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「中国でのウェットコンディションのした、ボッタスが計測したスピードには鳥肌が立ちました。これこそが、F1です。Cinturato グリーン・インターミディエイトタイヤは、我々のタイヤレンジ中で、2013年型から変更されていない唯一のタイヤですが、限界に近いコンディション下でも完璧なコントロールを可能にしました。今回のパフォーマンスは、今日のF1ドライバーの真の勇気と才能を示しています。そして、それは誰もが期待しているものです」