ピレリが、ヘレス・サーキットで行われた2014年最初のF1プレシーズンテストを振り返った。F1の新しい時代が、ヘレスでの4日間のテストで幕を開け、各チームは、新型のマシンと2014年型タイヤを初めてテスト。続くプレシーズンテストは、2月にバーレーンで4日間のテストが2回予定されている。革命的な技術的変更に伴い、今回の走行は昨年と比較して大幅に限定的となり、タイヤに関するテストはごくわずかだった。
しかし、各チームは、新型のコンパウンドとタイヤ構造を特徴とするピレリの2014年型タイヤレンジを初めて試すことができた。また、各チームは、テスト2日目に新型のCinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットをテスト。この日は雨天用テスト日に指定された。その後、金曜日も雨となったため、さらに雨天用タイヤのテスト機会が提供された。ピレリは、低い気温(6℃以下まで低下)の下でも各チームが最大限に走行できるように、今回限定の“winter”バージョンのハードタイヤをヘレスに追加で持ち込んでいた。テスト開始日の火曜日は、8人のドライバーが93周の走行を行ったのみの非常に静かなものだった。その後は活発になり、各チームはロングランを実施。テスト最終日は688周の走行が行われる最も忙しい日となった。ヘレスでは、各チームにマシンあたり最大25セットのタイヤが供給された。このうち18セット(“winter”6セット、ハード4セット、ミディアム2セット、インターミディエイトとフルウェットがそれぞれ3セット)はピレリによって選択されたもの。各チームは、これに加えてマシンあたり25セットになるまで、7セットのコンパウンドを選択できた。2014年のテスト用として、各チームにはマシンあたり135セットのタイヤが供給される。膨大な数の新しい要素の作業が存在し、4日間を通して非常に広範囲のラップタイムが見られたため、ヘレスでテストされたコンパウンド間のラップタイム差は大きな意味を持たないが、全チームが参加するバーレーンでは、より意味のあるタイヤデータが得られるだろう。合計22名のドライバーがヘレステストに参加し、1,470周、6,509kmを走行。昨年のヘレステストでは、3,531周、15,634kmの走行が見られた。マクラーレンのケビン・マグヌッセンが、ヘレステストの最速タイム1分23秒276を木曜日に記録。比較として、昨年のヘレステストの最速タイムは、フェラーリのフェリペ・マッサによる1分17秒879だった。今年のヘレステストで最多周回を走行したドライバーは、188周を走行したメルセデスのニコ・ロズベルグだった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「今回はタイヤに重きを置いたテストではなく、各チームは、急進的な新しいレギュレーションの理解と彼らの新型マシンでの走行に務めていました。新しいパワーユニットや空力ルールに関して理解すべきことが膨大に存在したため、各チームは彼らのマシンへの理解度を深めることを目指しました。マシンの開発とヘレスで認識された問題の修正を行う期間が2週間ありますので、今後バーレーンで予定されているテストでは、もう少しタイヤにフォーカスを当てることができると思います。我々はオープンかつ柔軟な姿勢で、より有意義な走行となるバーレーンのテストで出されるタイヤに対する要求に応えるべく準備をしています。テストに関する今年のレギュレーションは、雨天用テスト日を設けることを規定しており、水曜日の午前中に雨天用テストを実施することができました。金曜日にも雨が降ったため、各チームは、レースコンディションで使用する前に、雨天用コンパウンドを試す機会を得ました」