ピレリが、2012年 第2戦 F1マレーシアGPが開催されるセパン・インターナショナル・サーキットをタイヤメーカーの観点から解説した。マレーシアGPでは、ピレリのF1タイヤレンジの中で最もハードで耐久性の高い2012年型P Zero シルバー・ハードタイヤがデビューする。マレーシアGPは、しばしば高い温度や豪雨などの極端な天候状態によってタイヤの極限な試されるレースとなる。
セパン・インターナショナル・サーキットは、長い2本のストレートと、トラクションが試されるいくつかのヘアピンコーナーがあり、タイヤにとって厳しい、荒い路面が特徴。このようなエクストリームな要求を持つセパンには、P Zero シルバーが理想的だとピレリは考えている。このタイヤの持つ優れた耐久性は、最近ローンチされた乗用車用 P Zero シルバー・タイヤへと受け継がれている。マレーシアGPには、P Zero シルバー・ハードとともに、オーストラリアGPでも使用されたP Zero ホワイト・ミディアムタイヤが選択されている。この組み合わせは、マレーシアにおける幅広いコンディションをカバーするのに理想的だとピレリは考えている。赤道のわずか北に位置するサーキットの特徴でもある豪雨に対応するため、Cinturato グリーン・インターミディエイトとCinturato ブルー・フルウェトタイヤも準備される。雨が降らない場合でも、約80%ある湿度は、ドライバーにとって肉体的に厳しい条件となる。マレーシアの特性によるタイヤ摩耗の激しさは、ピットストップ回数を増加させる可能性がある。昨年の優勝者は、3ストップ戦略だった。しかし、今年のピレリのコンパウンドは、よりソフトで、より速くなっている。今週末、マレーシアで見られる新型ハードコンパウンドは、常に進化するP Zeroの性能を持ち、2011年のミディアムコンパウンドに非常に近い特性を持っている。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「マレーシアは、シーズン中最もチャレンジングなレースの一つです。それは、サーキットの特性と天候によるものです。路面温度は50℃ほどと予測されており、今回もオーストラリアと同様のコンパウンド間の性能差が見られるでしょう。われわれの目標は、2つのコンパウンド間の性能差をラップあたり1秒以内とすることです。マレーシアは、オーバーテイクのチャンスが多いので、意図的なデグラデーションによってオーバーテイク機会を創出するよう設計されたP Zeroの特性にフィットするレースとなるはずです。タイヤ戦略としては、特にスティント開始時のタイヤに対するケアが重要になるでしょう。昨年は、最終ラップまで表彰台争いが繰り広げられました。われわれの今年の目的は、スリリングな開幕となった先週末のオーストラリアに続いて、より接近したレースを演出することです」