ピエール・ガスリーは、アルピーヌF1での3年目のシーズンを終えたいま、チームにとって最も厳しい局面はすでに過去のものになったと感じている。2023年はランキング11位、2024年は10位、そして2025年は18位でシーズンを終えたが、本人はこの3年間を単純に比較できるものではないと考えている。「正直に言って、本当に不思議な感覚だ。もう3年も経ったという実感があまりない」とガスリーはコメント。
「たぶんそれだけ多くの変化に直面してきたからだと思う。経営陣も、チームの組織も、チームメイトも変わった。毎回、新しいスタートを切っているような感覚で、同じメンバーと継続して積み上げていくという感じではなかった」「ブラジルでの表彰台、昨年ラスベガス予選での3番手、2023年のザントフォールトやスパでのスプリント表彰台など、良い瞬間も確かにあった」「ただ、全体として見れば、期待からはかなり離れていたと言わざるを得ない。2023年にアルピーヌへ来たとき、チームは2022年にとても良いシーズンを終えていたから、もっと多くを期待していた。でも残念ながら、それは現実にはならなかった」それでもガスリーは、将来に対しては以前よりも確かな手応えを感じているという。「今この瞬間に同じ質問をされたら、2023年末や2024年末よりも、これからのシーズンに対して自信を持っている。簡単な道のりではなかったけれど、最も苦しい部分はすでに乗り越えたと感じているし、これからは良い日々が待っていると思っている」ガスリーは、2025年に投入されたA525の開発を続けていれば、ランキング10位以上も狙えた可能性があるとしながらも、それが2026年への準備を犠牲にする価値のある目標ではなかったと明言する。「シーズン序盤、チームが2026年に集中する方針を示したとき、僕は真っ先に『今年のことは忘れよう。もっと早く切り上げて2026年に集中しよう』と言った。現実として、僕たちはランキング10位だった」「もしもう少し予算と開発リソースを割いていれば、6位や7位を狙えたかもしれない。でも、僕たちは6位や7位になるためにF1をやっているわけじゃない。トップに立つためにやっている」「来年に向けたこの2か月の開発が、頂点に立てるか、それとも今後数年ミッドフィールドに留まるかの分かれ道になるかもしれない。今年は苦しいシーズンだったけれど、チームとして最高のチャンスを得るためなら、僕は喜んで受け入れられた」エンジンプログラムの停止やヴィリー=シャティヨンのF1部門閉鎖など、アルピーヌを取り巻く状況は決して容易ではなかった。それでもガスリーは、エンストンのチーム力そのものには強い確信を持っている。「率直かつ正直に言って、経験や能力を考えれば、僕たちはグリッドでも屈指の技術スタッフを抱えていると思う。これほど多くの優秀なエンジニア、メカニック、スタッフがエンストンに揃ったことは、これまでなかったんじゃないか」「だからこそ楽観的になれる。今の状況、チームを構成する人材、そこにある知性を見れば、僕たちは結果を出さなければならないと思う。あとはすべてを噛み合わせ、機能させるだけだ」また、ガスリーはチームに関わるキーパーソンたちについても言及している。「フラビオについて言えば、彼とはとても相性がいいと思っている。彼は勝者のメンタリティを持っているし、勝つこと以外に興味がない。常にチームとして、個人として、僕たちから最大限を引き出そうとしているし、完璧以外では満足しない。それは僕の考え方とも一致している」「僕たちは競争の世界にいる。あらゆる面で完璧を目指さなければ、目標には到達できない。フラビオはF1だけでなく、人生の他の分野でも成功を収めてきた。それは彼の思考とアプローチによるものだと思う」「彼がチームに本気で関わり、目標達成のために全力を尽くしているのが分かる。スティーブのこともとても評価している。フラビオとは全く違う性格だけれど、互いにうまく補完し合っている」「彼はリーダーシップと経験という点で、チームにとって非常に大きな存在だ。とても事実重視で客観的な人間で、『良い部分は良い、弱点があるなら隠さず向き合おう』という姿勢を持っている」「チーム全体に素晴らしい人材が揃っている。成功に必要な要素はすべてある。あとは、それを結果につなげるだけだ」
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