ピエール・ガスリーは、レッドブル・ファミリーから独立した後、アルピーヌF1チームでの最初の年には「2つの側面」があると感じている。2014年にレッドブルのジュニアチームに入団したガスリーは、3年以上経った2017年シーズン後半、トロロッソでついにF1でのブレイクを果たした。
だが、レッドブル・レーシングでのチャンスは2019年のシーズンの半分だけで、トロ・ロッソに降格し、その後2020年にアルファタウリに名前を変えたチームに3年半在籍した。昨年末にアルピーヌF1チームへの移籍を打診されたガスリーはそのチャンスに飛びついたが、大きな期待とは裏腹にフランスチームは期待に応えることができなかった。アルピーヌF1チームはコンストラクターズ選手権で6位に終わったが、5位のアストンマーティンとは160ポイント差、7位のウィリアムズとは92ポイント差だったため、事実上ノーマンズランドとなった。ガスリーはオランダGPで3位表彰台を獲得し、年間2回の表彰台のうち少なくとも1回を獲得しており、ドライバーズランキングでもチームメイトのエステバン・オコンを4ポイント上回った。アルピーヌF1チームとの初年度を振り返ったガスリーは「2つの側面がある」と語った。「一方は、チームとして期待していたようなペースではなかったので、チャレンジングな1年だった。僕たちはもっと良いポジションを目指して戦うだろうと思っていた」「でもその一方で、チームとの仕事のやり方にはとても満足している」「僕にとって初めてのシーズンで、チームがどのように機能するのかよく分からないままバーレーン(プレシーズンテスト)で新しいマシンに乗り込んだけど、新しい組織の中に足を踏み入れるまでには少し時間がかかる」「「振り返ってみると、今はマシンのフィーリングがとても良くなっているし、仕事の進め方やみんなとの理解も深まっている。シーズンを通して僕たちが果たした進化には本当に満足している」「来年以降、もっと良い基盤でスタートできると確信している」とはいえ、アブダビでガスリーは苦い失望を味わうことになった。後方にいたにもかかわらずオコンを先にピットインさせ、彼にアンダーカットを許した戦略的判断に不満を抱いた。ガスリーは、その後、ルイス・ハミルトンのメルセデスに後方から追突され、マシンのディフューザーにダメージを負ってダウンフォースを失い、本人曰く「15秒から20秒のレースタイム」を失って13位でフィニッシュした。ガスリーは、この戦略決定は「ミス」であり、社内で検討されることになるだろうと語り、一方でハミルトンを罰しなかったスチュワードの判断は「厳しい」と感じているとした