トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、F1カナダGPでホンダが導入した新スペックのパワーユニットにトラブルが発生。旧スペックに交換しなければならなかったことで予選は“厳しくなった”と語る。ホンダは、F1カナダGPにアップグレードを施した新型エンジンを投入。金曜日のフリー走行で新スペックを走らせたピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは、以前のバージョンよりも“良くなっている”“速くなっている”と手応えを口にしていた。
しかし、土曜日の午前中に開催されたフリー走行3回目にピエール・ガスリーのパワーユニットにパワー低下が見られたため、ホンダは予防措置としてパワーユニット全体を旧スペックのものに交換。ピエール・ガスリーは第2戦バーレーンGPから5戦分のマイレージを重ねていたエンジンで予選を戦うことを余儀なくされた。結果、ピエール・ガスリーは約0.05秒差でQ1敗退を喫して16番手。予選にむけて大きく不利な立場に陥ったと感じたと語った。「P3で新しいアップグレードされたエンジンに問題が発生し、僕たちはモナコで使っていたエンジンに戻さなければならなかった」とピエール・ガスリーは予選後に Sky Sports にコメント。「カナダのようなコースではトップスピードが本当に重要だし、それによって予選はかなり厳しいものになった」「小さなギャップで逃してしまうのはいつだってフラストレーションを感じるよ」ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、ピエール・ガスリーのパワーユニットがFP3の終盤にパワーを失ったと説明した。「予防措置としてパワーユニット全体を交換しました」と田辺豊治はコメント。「過去に使用済のパワーユニットを搭載したため、ペナルティはありませんが、アップデートがないパワーユニットで予選以降のセッションを走ることになります。問題の原因については現在分析中です」新スペックのパワーユニットの利益について質問されたピエール・ガスリーは「ストレートでのスピードでパワーを落とすとエンジンから多くのパワーを得られる」とコメント。「ロングストレートのあるカナダのようなトラックでは、ラップタイムのゲインはかなり重要だ」新スペックのパワーユニットを搭載したブレンドン・ハートレーは、Q1を8番手タイムで突破し、決勝を12番グリッドからスタートする。「アップグレードで走ったブレンドンが良い仕事をしたのはポジティブなことだし、とにかく僕はできる限り早く僕のクルマにアップグレード版エンジンが戻るのが待ち切れない」とピエール・ガスリーはコメント。「ポジティブな面に目を向ければ、今後のレースにとっては良いことだ。でも、明日は僕たちのガレージはかなり難しいだろう」「でも、僕は常に希望に満ちている。簡単ではないけど、レースができないわけではない。全力を注いで、明日何を得られるかを見てみる必要がある」関連:F1カナダGP 予選:セバスチャン・ベッテルが驚速のポールポジション!