セルジオ・ペレスが、かつてのライバルチームであるメルセデスF1に“サプライズ移籍”する可能性があると報じられている。マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、ペレスはしばしばルイス・ハミルトン時代のメルセデスにとって厄介な存在だった。しかし、レッドブルF1から放出されて今季のシートを失ったペレスが、2026年のグリッド復帰を目指す中で、その新天地がかつての宿敵チームとなる可能性が浮上している。
モータースポーツ・コムの報道によれば、ペレスはすでにトト・ヴォルフ率いるメルセデスF1と「初期的な話し合い」を行ったという。ただし、この移籍が現実となるには、F1のドライバー市場で複数の“ドミノ効果”が生じる必要があるとされている。ヴォルフは、他の大型移籍によってチームが空席に直面する可能性を見越し、ペレスをオプションのひとつとして注視しているとされる。また、ペレスのマシン開発能力やチームメイトを支える姿勢を高く評価しているという。ペレスをメルセデスに導く“F1ドミノ”の引き金は?その引き金となり得るのが、フェルスタッペンの去就だ。フェルスタッペンはレッドブルと長期契約を結んでいるが、現在のマシンの競争力不足により、その将来には依然として不透明感が残っている。2026年のレギュレーション変更を見据え、アストンマーティンがフェルスタッペン獲得に向けて巨額オファーを準備しているとも報じられている。アストンマーティンには、かつてフェルスタッペンのタイトル獲得マシンを設計したエイドリアン・ニューウェイも加わる見通しだ。仮にレッドブルがフェルスタッペンを失えば、メルセデスのジョージ・ラッセルを後任として引き抜く可能性がある。ラッセルは今季末で契約が終了する予定だが、メルセデス残留に向けて高額契約の交渉が進められているともいわれる。昨年、ラッセルはハミルトンを予選で上回り、現在は新人アンドレア・キミ・アントネッリとともに“実質的なチームリーダー”を担っている。そして、アストンマーティンがフェルスタッペンを獲得し、レッドブルがラッセルを引き抜いた場合、その空いたメルセデスのシートにペレスが起用されるという構図が浮かび上がる。実現の可能性は高くないかもしれない。しかし、これら一連の大型移籍が成立すれば、ペレスのメルセデス入りも現実味を帯びてくる。厳しい成績に終わったレッドブルでの最終年を経ても、こうしてペレスの名前が移籍市場で取り沙汰されているという事実は、F1パドック内における信頼がいまだ健在であることを示している。なお、ペレスにはアルピーヌF1への移籍という選択肢もある。同チームは現在、ジャック・ドゥーハンに代えてフランコ・コラピントを5戦限定で起用しており、次なる布陣を模索しているところだ。さらに、来季からF1に参戦する新チーム「キャデラックF1」も、経験豊富なドライバーとしてペレスに関心を示しているとされている。