フランスF4は国外ラウンドから帰郷し、レドゥノンの町にある起伏の激しい全長3.151kmのサーキットで第5戦が開催された。ホンダ・レーシングスクール(HRS)の卒業生であり、ホンダの若手ドライバー育成プログラムであるホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)と、両名のキャリアをサポートし、サマーブレイクに本社に招待したレッドブル・レーシングF1チームを代表して挑む荒尾創大と野村勇斗にとって、レドゥノンは初めての経験。
またサマーブレイクで1カ月レースがなかった両選手は、ブランクを感じずにF4に再び乗れるようにレッドブルの指導のもとでトレーニングを続けた。金曜日のフリープラクティスでは野村が2番手だったが、同日に行われた予選では荒尾が好タイムをマークし5番手となった。野村は8番手だったが、最終のレース3では7番グリッドを獲得した。他のドライバーのペナルティーがあったため、レース1のグリッドでは両選手それぞれ1ポジションアップ、荒尾は3番手、野村は6番手スタートとなった。決勝で荒尾はポジションをキープし、そのまま3位でチェッカーフラッグを受けた。野村は5番手まで順位を上げ、その後7番手まで落ちたものの、レース後に他のドライバーがペナルティーを受けたため、最終的に5位となった。リバースグリッドのレース2では、野村/荒尾はそれぞれ3番手/6番手からスタートし、まもなく野村は2番手までポジションアップした。荒尾も3番手まで上がったが、セーフティカーが導入されたために優位なポジションが失われ、8番手までポジションダウン。野村はしばらく2番手をキープしたが、後ろからのプレッシャーに押され、最終的には5位でチェッカーフラッグを受けた。荒尾は30秒ペナルティーを科せられ、15位となった。レース3で巻き返しを図った荒尾は7位でポイントを獲得したが、野村は2ラップ目で他のドライバーに当てられスピン。両選手とも、もっといい結果を求めていたはずだが、それでも荒尾は、残り2ラウンドとなったチャンピオンシップで十分に総合優勝を狙えるポジションを維持した。野村勇斗「昨日のフリー走行ではいいフィーリングでしたが、予選では自分のポテンシャルを見せることができずに8番手となりました。3番手まであと一歩でしたので、8番手は悔しいです。レース1では6番手スタートで、ラップ1で5番手まで上がりました。ペースは悪くなく、残り2ラップまでは5番手でしたが、最終ラップに差し掛かるところで後ろから当てられ、7位まで落ちました。レース2では、リバースグリッドで3番手スタートでした。1ラップ目で5番手まで上がり、優勝を狙っていましたが、レース前半のペースがなく、追いつくことができませんでした。結果的に5位フィニッシュでしたが、優勝を狙えたので悔しいです。レース3は悪くありませんでしたが、第1コーナーに入るときのポジショニングが悪く、1台に抜かれました。そこからは、8番手走行中に第3コーナーで左リアをぶつけられて、サスペンションが変形したためリタイアをしました」荒尾創大「昨日のフリー走行では調子がよかったのですが、予選では結果が出せませんでした。レース1は3番手スタートで、前の車がペナルティーを受けたため3位フィニッシュ。いいスタートでしたが、ペースはありませんでした。レース2でもスタートはよく、表彰台にいけるんじゃないかと思いましたが、ぶつけられてノーポイントに終わりました。レース3では、残っていたニュータイヤを履いて挑みましたが、またしてもペースが上がりませんでした。今シーズン、最悪の週末でした。次のバレンシア大会ではベストを尽くし、いい結果が出せるようにします」