大阪市は、大阪湾の人工島・夢洲へのF1誘致を断念したと読売新聞が伝えた。採算が取れないことが主な理由という。2025年に大阪市此花区の沖合にある夢洲で約55年ぶりとなる万国博覧会の開催が決定し、当時、大阪市長だった吉村洋文知事は、万博終了後の跡地について、「夢洲の道路は、将来的に公道レースが誘致できるような仕様にしていきたい」と将来的なF1グランプリの誘致への意欲を語っていた。
当時、吉村洋文知事は「F1大阪グランプリ、公道レース、夢物語だとは思わない。モナコ、シンガポールができるなら大阪もできる。ハードルは認識してる。夢洲には世界最高水準のIRがくる。夢洲は人が住まない非日常の人工島。公道の形状、配置もこれから本格設計。やろうじゃないか」とTwitterでコメントしていた。しかし、その後の検討で、FIA(国際自動車連盟)に対して支払う資金だけでも400億~500億円かかる一方、チケット販売などによる収益は30億円前後との見通しが判明。また、夢洲には病院がなく、事故発生時の対応が難しいこと、公道でレースを実施する場合、路面に通常より高い耐久性が必要になることも課題になり、大阪市はF1の誘致断念を決めたと読売新聞は伝え、「仕切り直して、夢洲の活性化策を考えたい」との大阪市幹部のコメントを紹介した。