ヤマハは、2018 FIM世界耐久選手権シリーズ “コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレースで、ヤマハ初となる鈴鹿8耐4連覇、通算8回目となる優勝を達成した。鈴鹿8耐の第41回大会は雨のなかで始まった。YAMAHA FACTORY RACING TEAMのスタートライダーはマイケル・ファン・デル・マークが務めたが、スタートの瞬間、僅かにフロントタイヤを上げてしまいオープニングラップを#33ホンダ、#11カワサキに次ぐ3番手で終える。
その後、雨が止むとコースは乾き始め、スタートから約30分が経過したところでファン・デル・マークはピットインしてタイヤをスリックに変更。この素早い対応が功を奏し、19周目には#12ヨシムラ、#11カワサキとトップグループを形成した。20周目の最終シケインでは、#11カワサキとファン・デル・マークが相次いで#12ヨシムラをパス。そしてファン・デル・マークは1時間40分弱を走行してYZF-R1をアレックス・ローズに託す。そのローズは#11カワサキ、#33ホンダとトップ争いを展開し、スタートから約2時間が経過した頃にローズがトップに躍り出た。その後も3チームによる戦いは続くが、午後1時55分頃にセーフティーカーが介入。これで一時は3番手の#33ホンダに約23秒差をつけていたのだが、10秒差に迫られることになる。そしてレースが再スタートするとローズと#11カワサキがスプリント並みの激しいバトルを展開。そしてその戦いはファン・デル・マークと#11カワサキに持ち越されたが、ファン・デル・マークは引き離されることなくしっかりと#11カワサキをマークする。ファン・デル・マークからローズへとYZF-R1は託されたが、#11カワサキのマシンはガス欠症状を起こして惰性でピットに戻る。これでファン・デル・マークと#11カワサキとの差が開き、ファン・デル・マークはそのマージンをキープするのだが、午後4時過ぎに激しい雨が降り始めた。この雨はすぐに上がったのだが、129周目に2度目のセーフティーカーが介入する事態となり、さらにこの間に立て続けにアクシデントが発生。さらに豪雨も手伝ってファン・デル・マークは予定外のビットイン。タイヤをレイン使用に替えてコースインするが、この直前、#11カワサキがスプーンカーブで転倒してしまう。午後5時にセーフティーカーは解除されたが、なんと午後5時10分頃に3度目の介入となり、その解除後、レースはファン・デル・マークと#33ホンダとの戦いになった。そして#33ホンダを徐々に引き離しにかかったファン・デル・マークがトップでローズへとバトンタッチ。#33ホンダもライダー交替するが、すでにYAMAHA FACTORY RACING TEAMは2番手以降に大きなマージンを築いていた。192周目にYAMAHA FACTORY RACING TEAMはガソリンのみを入れるスプラッシュ&ゴーを実行。これでトップの座を不動のものとすると、199周を走破してチーム4連覇を達成。中須賀克行は前日の転倒で負傷してしまい決勝を走ることなかったが、中須賀も4連覇となり、単独での連覇新記録。また、ファン・デル・マークとともに鈴鹿8耐最多優勝記録の2番手となった。また、YZF-R1の誕生20周年に華を添えることになった。GMT94 Yamaha Official EWC Teamは、突然の天候変化による様々なアクシデントをものともせず確実に順位を上げ6位とし、年間ランキングでは2位を獲得。YART Yamaha Official EWC Teamはレース前半で転倒してリタイアとなり、年間ランキングは16位となった。#21 YAMAHA FACTORY RACING Team決勝:優勝(199周:8:00'01.728)中須賀克行「自分が走ることができず、こんなに悔しいことはありませんが、アレックスそしてマイケルとチームメイトになれて、そして彼ら2人が勝つことができたことはチームメイトとして本当にうれしく思います。こんなに心強いチームメイトは他に探してもいないと思いますし、彼らともう一度一緒に鈴鹿8耐を戦うために、自分のポテンシャルをさらに高めたいと思っています。ヤマハの連覇記録を更新できたこともうれしいし、YZF-R1の20周年に華を添えることができたのもうれしいです。本当にアレックスとマイケルには感謝しています」アレックス・ローズ「中須賀さんが走らないレースなんて初めてで、すごくタフではあったけど楽しみました。中須賀さんが中心となってセットアップを進めたYZF-R1は、決勝でも非常によく走ってくれました。チームのがんばりにも感謝しています。なによりもチームメイトのマイケルがいい走りをしてくれましたね。僕のスティントはなぜかコンディションが安定していたんですが、マイケルの時は雨が降ったりセーフティーカーが入ったりして大変だったと思います。でも、すばらしい走りで勝利に貢献してくれました。それにしても鈴鹿8耐での勝利は格別ですね! ぜひ来年もこのメンバーでレースできることを願っています」マイケル・ファン・デル・マーク「すごくタフなレースでした。いろいろあったレースウィークでしたが、チームは基本的に作戦を変えませんでした。それがうまくいったんだと思います。僕自身としては、中須賀さんが決勝を走らないと聞かされた時は、とても驚きましたよ。僕がスタートライダーを務めることになって、緊張もしました。しかも僕の走るスティントはすごく長かったし、レインになったりドライになったりセーフティカーが入ったりして本当に大変だったんです。でもアレックスと僕で、うまくレースをリードできたと思います。またこの3人でチームを組んで、今度は中須賀さんにも走ってもらって、鈴鹿8耐を戦いたいですね!」吉川和多留監督「ローズ選手とファン・デル・マーク選手は、レース序盤では同じスーパーバイク世界選手権を戦うライダーやブリティッシュスーパーバイクを戦うライダーたちといいレースをしていたし、これで一気に集中力が高まりました。レース自体は、天候の急変が続いて荒れた展開になりましたが、チームスタッフはサーキット全体を見渡すことは不可能なので、ライダーのポテンシャルの高さを信じて時には自己判断してもらう部分もありましたが、これがしっかり機能しました。ミスなくしっかりと戦えたことが今大会の勝因ですが、レースを走れなかった中須賀選手が、しっかりとローズ選手とファン・デル・マーク選手をサポートしていてくれたことがなによりの勝因です」#94 GMT94 Yamaha Official EWC Team決勝:6位(196周:8:01'48.403)デビッド・チェカ「敗北は苦いものですが、勝つまでには何度か味わうものでもあります。過去2シーズン、僕たちのチームはEWCでとてもいい戦いをして、2016年にはランキング2位、2016-2017シーズン...
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