オスカー・ピアストリは、マクラーレンの短期的な成功を追求するために強くプッシュするつもりはなく、むしろチームの未来、特に2026年シーズンを重視していると明言した。現在、彼はドライバーズ選手権をリードしているが、今季にリソースを集中させることは望んでいない。今季24歳のオーストラリア人ドライバーは非常に安定した走りを見せており、これまでに7勝を挙げている。
その結果、ドライバーズ選手権をリードしているが、チームメイトのランド・ノリスも唯一のライバルとして存在し、今季のマクラーレンの支配を象徴する展開となっている。両者がシーズン終盤にはさらに接近することが予想される中でも、ピアストリは今季のタイトル獲得に向けてチームを強く追い込む考えはないと語る。メディアに対して彼は、2026年の新レギュレーションを見据えた長期的な目標を考慮していると明かした。「将来の成功を犠牲にしてまで、絶対にやらない」とピアストリはBBC Sportを通じて語った。「我々は今年だけの成功のチャンスなんて望んでいない。来年は大きなレギュレーション変更がある。どれほど競争力を持てるか分からないし、他のチームがどうなるかも分からない」さらにこう続けた。「最終的に、我々はF1ドライバーとしてできるだけ長くチャンピオンシップを獲得できる可能性を最大化したい。そして僕たちは二人とも、マクラーレンと長期的に契約している」今季ノリスとピアストリは共に高い競争力を示してきたが、一貫性ではピアストリが勝り、その差が選手権リードにつながっている。ただし、モンツァでの物議を醸したチームオーダーにより、そのアドバンテージは縮まった。オスカー・ピアストリ、モンツァでのノリスとの順位入れ替えを正当化2025年F1イタリアGPでは、ランド・ノリスがレース終盤にピットストップの遅れに見舞われ、直前にピットを済ませたピアストリにポジションを奪われる形となった。当初、先にピットへ入るよう指示されたのはノリスだったが、彼は「もう一方のマシンを先に入れるべきだ」と提案。チームはそれに従い、ノリスには「アンダーカットはない」と約束した。その結果、ピアストリは完璧なピット作業を受け、コースへ戻った際にはチームから「自由に戦える」と告げられていた。しかし、ノリスが遅いストップで順位を失った後、チームはピアストリにP2を返すよう指示。ピアストリはこれを受け入れた。最終結果は、マックス・フェルスタッペンが優勝し、ノリスが2位、ピアストリが3位という順位となった。レース後、オーストラリア人ドライバーはチームの判断を正当化し、ノリスがその位置にふさわしかったと主張した。「明らかに入れ替えには正当な理由があった」とピアストリはF1公式に語った。「ランドは予選で僕より前にいたし、レースでもずっと前を走っていたから理解できる。ただ、話し合うべきことはいくつかある」それでも、ピアストリは選手権リーダーの座を維持している。残り8戦、両者はともに初のタイトル獲得をかけた激しい戦いを繰り広げることになる。