オスカー・ピアストリは、F1ベルギーGPのスプリント予選でポールポジションを獲得する前、「SQ2での敗退を本気で覚悟した」と語った。スパ・フランコルシャンにおける1周のタイムでのマックス・フェルスタッペンの無敗記録(2020年以降)を断ち切ったピアストリは、フェルスタッペンに0.477秒差をつける快走を披露。しかしその舞台裏には冷や汗ものの展開があった。
フェルスタッペンは、まずランド・ノリスが記録した初期のベンチマークを塗り替えトップに立ったが、その後すぐにチームメイトのピアストリがその座を奪取。しかし、ピアストリのSQ2での最初のアタックラップはトラックリミット違反で抹消されてしまう。次のアタックで有効なタイムを記録したものの、終盤のタイム更新ラッシュで順位が下がり、なんとか10番手ギリギリでSQ3進出を果たす形となった。この出来事についてピアストリは次のように振り返っている。「いいラップだったよ」「SQ2ではラップ抹消があって、正直ちょっと怖かった。でも、今日はクルマがずっと素晴らしかったし、自分でもいいラップを何本も出せたと思ってる」「チームに感謝したい。マシンは本当に調子がよかったし、ここは僕にとって年間で一番好きなサーキットなんだ。たぶんその分、コンマ何秒か余計に引き出せたのかも」「ここはいつも楽しいけど、今日みたいにマシンの調子がいいと本当に走っていて楽しいよ」スタートには不安もピアストリはフロントローの1列目に、レッドブルのマックス・フェルスタッペンと並んでグリッドにつく。フェルスタッペンのRB21はストレートスピードを最大化するため、ダウンフォースを減らした仕様(リアウイング軽め)となっており、ケメルストレートでのオープニングラップでは脅威となる可能性がある。マクラーレンは逆にダウンフォースを重視した方向性を採ったため、ピアストリもその懸念を認めている。「ちょっと見てみないと分からないけど、レッドブルは練習走行でストレートがすごく速かったんだ」「それがスプリント予選でも続いていたのかは分からないけど、そうなると状況は厳しくなるよ。スパはポールポジションを取るのが一番難しいサーキットだと思うからね」「まあ様子を見てみようと思う。でも今日のクルマのペースはすごくよかったし、自分自身のフィーリングもいい。明日もいい一日になることを願ってるよ」