マクラーレンのオスカー・ピアストリは、2023年F1第12戦ハンガリーGPの決勝を5位でフィニッシュしてキャリア4回目の入賞を果たしたが、タイヤのデグラデーション管理を反省。一方で、チームはフロアの損傷が妨げになったと指摘した。ハンガロリンクでの5位は前回のイギリスGPでの4位に続くもので、ピアストリがトップ10フィニッシュを2回連続で達成したの初めてとなる。
ハンガリーGPで4番手からスタートしたピアストリは、オープニングコーナーでランド・ノリスとルイス・ハミルトンをパスし、序盤はマックス・フェルスタッペンに次ぐ2番手を走行した。マクラーレンが先にノリスをボックスに入れ、ノリスが猛烈なアウトラップを見せたことでアンダーカットを許してしまい、ピアストリはピットストップ後にチームメイトの後塵を拝した。そこからピアストリは、経験豊富なチームメイトよりもタイムを落とし始めたが、22歳のピアストリはタイヤの過度のデグラデーションが原因だと考えている。「タイヤのデグが僕にとっては致命的だったようだ」とピアストリは言い切った。「その理由はまだ100パーセントはわからないけれど、明らかに調べるべきことだ」「ピットストップが何度もあり、デグが多いレースは初めてだと思うし、学ぶべきことはたくさんある」「でも、それが僕のレースの唯一の鍵だったと思う。 最初のスティントでは楽に走れたけど、そこからある意味で少しずつ崩れてしまった」マクラーレンのチーム代表のアンドレア・ステラは、ピアストリは自分に厳しい男だとし、ペースとタイヤのグリップに苦しんだのはもっと単純な理由があったからだと指摘。タイヤを焼き切ったというよりも、フロアのダメージが根本的な原因だと示唆した。「オスカーは言い訳をしない男だ」とステラは語った「このダメージは、縁石で膨らんだときに起きたものだと考えているが、必ずしも(セルジオ)ペレスと争っている間にコースオフしたときだけに起こったとは限らない」「だから、このダメージがクルマに起きたのは複数回あるのかもしれない」「ここハンガリーで縁石を乗り越えると、間違いなくフロアにダメージが生じる。これは週末のある段階のフリープラクティスで起こっていた」「フロアには完全に機器が設置されているので、それがわかる。たくさんの圧力センサーがあり、これらの圧力センサーの変化の痕跡を見ることができるので、何かが起こったことがわかる」「そして、クルマに作用する力も測定している。これは圧力センサーだけでなく、プッシュロッドを通じて測定される力でも確認できた」ピアストリはそれでも自分の結果に満足しており、多少ダメージを受けたマシンと戦いながらもトップ5以内の結果を記録できたことはチームにとって重要な一歩だったと理由づけた。「改善すべき点はたくさんあるが、あのような苦戦を強いられながらトップ5を獲得できたことは、チームにとって素晴らしいことだ」とピアストリは語った。マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンとのホイール・トゥ・ホイールについて「彼らとレースをすること、そして実力で2週間続けて週末を戦えることは、今とてもエキサイティングなことだ」とピアストリは語った。「このようなトラック、このようなコンディションは、シーズン開幕時や数レース前には悪夢のようなコンディションだった。僕たちが好転を遂げることができたのはチームの功績だ」「ランドと比較して苦戦を強いられながら5位でフィニッシュできたことは、チームがマシンの開発でどれだけ良い仕事をしてきたかを浮き彫りにしている」