Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスがMotoGP フランスGPで今季3勝目を挙げ、ヤマハのグランプリ通算500勝目を達成した。チームメイトのバレンティーノ・ロッシも見事なレースを展開し、トップに立った時には大歓声が上がったが、最終ラップで転倒して戦列を離れた。ビニャーレスはポールポジションから好スタートを切りホールショット。そのあとは一瞬、混戦に飲まれたが、第3コーナーで飛び込みヨハン・ザルコに続く2番手に浮上。これをロッシが3番手で追う展開となった。
そして6周目にビニャーレスはザルコをパスして、ついにトップに浮上。ここからは一気にペースを上げて後続を引き離しにかかる。まさに完璧なリズムで危なげなくトップをキープしていたが、次はロッシが激しい勢いで追い上げてきた。そして一旦はトップの座を明け渡すこととなったが、ビニャーレスは決してあきらめようとはしなかった。最終ラップでロッシが転倒し、ビニャーレスはトップでチェッカーを受けた。2位に3.134秒差をつけて優勝を果たした。ロッシはグリッド2番手から好スタート。始めはマルク・マルケス(ホンダ)の後ろの4番手につけ、間もなくこれをパスして3番手に上がった。そしてチームメイトのビニャーレスとともにトップのザルコを追って行く展開。12周目、一時マルケスに差を詰められたが、すぐに対応してペースを上げ、このあとは順調にトップ争いへと近づいていった。そして残り5ラップでザルコをパスして2番手に浮上。3ラップ後にはビニャーレスの背後につき、ついにはトップに躍り出た。この時点で残りは2ラップ。ビニャーレスもあきらめず、チームメイト同士のバトルが続くなかでロッシがわずかなミスを犯し、最終ラップで転倒。ゴールラインを通過することはできなかった。ビニャーレスは25ポイントを追加し、合計85ポイントでランキングトップに浮上。ロッシは23ポイントの差をつけられて3位に後退した。チーム・ランキングではMovistar Yamaha Moto GPが合計147ポイントとなり、2位に21ポイント差をつけてトップをキープ。またコンストラクターズ・ランキングでも、ヤマハが2位に13ポイント差、合計108ポイントでトップに立っている。ザルコがホームGPで2位を獲得し、歴史に名を刻むMonster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコが最高のパフォーマンス。ル・マン・サーキットで行われた自身のホーム・グランプリで2位を獲得し、MotoGPで初めての表彰台に上った。ザルコはグリッド3番手、フロントローから飛び出してそのまま6ラップまでレースをリード。その後はトップライダーたちを相手に果敢に競り合い、最終的にビニャーレスに続く2位でチェッカーを受けた。ザルコのチームメイトのジョナス・フォルガーも7位獲得と健闘。スタートで出遅れて17番手まで後退したが、ハイペースをキープして少しずつ挽回し、レース終盤ではザルコと同等のラップタイムで好走した。次のイタリアGP、ムジェロもこの勢いで自信を持って臨む。次回は2週間後、イタリアはムジェロ・サーキットで開催される。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (優勝)「レース序盤はヨハン(ザルコ)について行くのが大変でした。彼は本当に速くて、フルタンクの状態ではとてもかないませんでした。とくにコーナー立ち上がりが素晴らしくて、とにかく速いんです。でも後半になると、彼のタイヤのグリップが少しずつ落ち始め、逆に僕のほうは良くなってきました。そしてラップごとにフィーリングが上がって来たんです。そのあとは最後まで、持てる力をすべて出し尽くして走り切りました。正直に言うと、とってもハッピー。本当にうれしいです! チームの仕事も非常に素晴らしかったし、タイヤも最後までしっかり機能してくれました。次のムジェロもこの調子でいきたいですね」バレンティーノ・ロッシ (リタイア)「非常に残念な結果です。なぜなら今回は、僕らのチームが今季最高の状態にあったからです。ウエット・コンディションでも好調でしたし、とくに決勝は素晴らしかったのです。僕としては、今日は必ずシーズン最高の結果を出せると思っていました。ペースが速かったので大変でしたが、最後はとても気持ちよく乗れていて、フィーリングも良かったのでアタックを仕掛けました。でも最終ラップの第6コーナーでちょっとミスをして遅れてしまい、マーベリックに抜き返されてしまったんです。大きく離されたわけではなかったし、第4セクションは得意な場所なので、この時点でもう一回チャンスがあると思っていたのですが、突然あんなことになってしまいました。どんな状況だったのか、正直なところまったくわかりません。ふつうならフロントに注意するところですが、今日のはリアからの転倒だったのです。いずれにしても僕がミスをしました。その結果がこれです。ポイントを持ち帰ることができなかったことは本当に残念です。何よりも、目の前にあった勝利を逃したことが悔しい。そしてそれによってランキングトップの座も失いました。それでも、このフランスGPの僕は強かったので、悪くなかったと思っています。これからは次のレースのことを考えます。今日と同じように走ることができれば、必ずいい戦いができると思います」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「ヤマハの1-2-3という、夢のようなシナリオを思い描いていました。しかし残念ながら、それは実現しませんでした。それでもわれわれは依然として、このフランスGPに大いなる誇りを感じることができました。ここまでの長い間の努力と貢献によって、ヤマハはグランプリ通算500勝のマイルストーンを達成することができました。マーベリックはこの緊張感のなかで、集中力と熱意、そしてスピードを持ち続けて見事、優勝を果たしました。バレンティーノもともに表彰台に上っていればもっと良かったのですが、最終ラップのほんのわずかなミスが、そのチャンスを奪ってしまいました。それでも"ヤマハ・ファミリー"にとっては誇るべき一日です。バレンティーノの戦いぶりが、このフランスGPを盛り上げ、決して忘れることのできないものにしたのだと思っています。今日のようなエキサイティングなレースが、今後も展開されることを期待しています。そして残りのシーズンもトップを目指して戦い続けていきます」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (2位)「素晴らしい結果。喜びを表す言葉はいろいろありますが、今日はとにかく"Great!"ということだけです。ソフト・コンパウンドのタイヤを履いてコンディションは完璧でした。ペースには満足できましたし、レースをリードするのは最高の気分でした。心の...
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