激しい雨のためスタートを遅らせ、さらに1周減算して合計19ラップで行われたマレーシアGP。Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソは、サーキットに詰めかけた95,000を超えるファンを目に前に、最後まで懸命に戦い続けて2位と3位でゴール。今季5度目となるダブル表彰台を獲得した。予選2位のバレンティーノ・ロッシはスタートで順位をふたつ下げ、4番手で第1コーナーに進入した。
しかしすぐさま仕掛け、コーナーをいくつか抜けるうちにトップに浮上。そこから逃げ切りを図ろうとしたが、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が食い下がり、ここからふたりによる激しいトップ争いが続いた。バレンティーノ・ロッシはYZR-M1の俊敏性を生かしツイスティなセクションで優位に立つものの、8ラップ目にイアンノーネに先行を許してしまう。それでもペースを上げてイアンノーネとの差を縮めていくが、アンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)も加わりトップ争いは混戦となる。ライバルの後方につけていたバレンティーノ・ロッシは、タイミングを見計らってイアンノーネとドビツィオーゾをパス。後方でふたりが競り合う間に、ファステストラップを更新するなどトップをキープする。しかし残り5ラップ、路面が少しずつ乾き始めたところでフロントタイヤの右サイドが消耗。そのため第1コーナーで大きくはらみ、ドビツィオーゾにトップを奪われてしまう。さらにその後も何度か危ない場面に遭遇したことでロッシは、それ以上のプッシュを止め、2位を守り切ってチェッカーを受けた。一方のホルヘ・ロレンソはフロントローからホールショットを決める。しかしM・マルケス(ホンダ)とイアンノーネの激しいプッシュを抑えきれず、1周目を終えるころには6番手に後退してしまう。それでも3ラップ目にはアレイシ・エスパルガロ(スズキ)がコーナーではらむ間にひとつ上げ、約1秒前方を行くマルケスの追撃を開始した。ここでは暫定ファステストラップの速さを見せたホルヘ・ロレンソだが、カル・クラッチロー(ホンダ)とのバトルの中でラップタイムも順位も落としてしまう。そこでクラッチローの後方について走りながらトップグループへの接近を図る作戦に変更。しかし、懸命にマシンをプッシュするも上位には届かず、最後まで単独走行を続けることになった。ところが終盤、前方でクラッチロー、マルケス、イアンノーネが転倒したため、ロレンソはポジションを上げて3位でゴールし、表彰台を獲得した。2位を獲得したロッシは20ポイントを加算し、合計236ポイントでランキング2位をキープ。ランキング3位で追うロレンソは16ポイントを加算して208ポイント。しかしこの時点でロッシとの差が28ポイントに開いたため、ロッシのランキング2位が確定した。MotoGPはこのあとヨーロッパへ戻り、2週間後、スペインはバレンシアで2016シーズンの最終戦を迎える。エスパルガロが果敢な攻めを見せて9位獲得。スミスも14位と健闘降り続く雨のなかで行われたマレーシアGPで、Monster Yamaha Tech 3のポル・エスパルガロが9位を獲得した。開始予定時刻の直前に突然の激しい雨に見舞われたため、レースは20分遅れでスタート。エスパルガロは11番グリッドから飛び出して1周目で9番手に上がったが、徐々に順位を下げて13番手へ。しかしここから力強い走りとコンスタントなリズムをキープして挽回を開始し、13ラップ目に10番手へ浮上した。その後も最後までスピードを維持してプッシュを続けたエスパルガロは、最終的にもうひとつ上げて9位でゴールした。早くも次回のバレンシアGPに照準を定めており、YZR-M1での最後のレースでトップサテライト獲得を狙う。チームメイトのブラッドリー・スミスも、激しい雨のなかで果敢な走りを見せて14位を獲得した。グリッド5列目の先頭の位置からスタートしたあと一旦4つポジションを上げ、再び後退して11番手でオープニングラップを終了。ここからリズムをつかんで懸命の走りを続けるも、レースの約三分の一を過ぎたあたりで16番手まで順位を下げてしまった。それでも最後まであきらめずに走り切って14位でチェッカー。怪我からの復帰後、3戦連続でポイントを獲得する快挙を成し遂げた。Tech 3との6年間にわたるパートナーシップを終了することになる最終戦は、有終の美を飾るべく好成績獲得を目指す。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(2位)「今日の最大の目標はホルヘの前でゴールすることだった。ランキング2位を確実にするためにね。でも序盤からマシンがとても好調だったから、やはり勝ちたい気持ちも強かったんだ。イアンノーネが非常に速くて、彼とは激しく競り合った。それでも前に出てからは勝利を確信して自信を持って走っていたんだけれど、少しずつ乾いてきて路面温度が上がってきたためタイヤが消耗してきたんだ。とくにフロントがね。危ない場面が2度あって、僕もちょっと無理をしていたので、とうとうミスに繋がってしまった。あのときもドビツィオーゾはとても速くて、僕を抜いたあとはどんどん離れていってしまった。でもランキング2位を守ることが重要。ロレンソとの戦いはいつも接近していて、いつも最終戦までもつれ込む。彼のような強いライダーに勝つことができたことはとてもうれしいことだし、ここまで来てみて、今年はすばらしいシーズンだったと思えるよ」ホルヘ・ロレンソ(3位)「正直なところ、今日の僕はラッキーだった。前のほうで転倒がなかったら、5位か6位で終わっていただろうからね。クラッチロー、イアンノーネ、マルケスが転倒して、ようやく表彰台に上ることができたんだ。以前はウエットのレースは得意だったし、気持ちよく走れていた。とくにピットストップがあったときなどは、優勝し、表彰台に上り、ポールポジションを獲得した。今年はミシュランタイヤになって、とくにシーズン序盤はフロントタイヤに自信を持つことができなかったが、ブルノ以降はセッティングをモディファイして対応し、とても調子が上がっていたんだ。それに加えて、今回は路面のグリップがいつもより良かったので、自信を持って攻めていくことができた。決勝は予選ほどではなかったかもしれないけれど、とにかく最終的には、いろいろな幸運もあって表彰台に上ることができた。次回のバレンシアはランキング3位を決めるために頑張るよ」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「このような厳しい条件のなかでダブル表彰台を獲得できたことが、チームの仕事ぶりのすばらしさを証明している。バレンティーノの...
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