オーストラリアGP決勝はミルが健闘の5位、リンスは9位完走3連戦の2戦目となるオーストラリアGPは、悪天候の影響で土曜日の予選がキャンセルされたことにより、決勝当日朝に予選が行われる異例のスケジュールとなるも、天候は回復し、現地時間午後3時から予定通り27周の決勝がスタートした。
チームスズキエクスターライダーのふたりは共に好スタートを切るが、アレックス・リンスはオープニングラップに他車と接触。しかしリンスはすぐにリカバーし、3周目にはファステストラップを記録。リンスはその後も激しい追い上げを見せ、5番手争いのグループで激闘。残り15周では一時4番手に順位を上げるが、その後タイヤの消耗によりペースを上げることができず、終盤は我慢のレースを強いられ9位まで順位を落としてチェッカーを受けた。チャンピオンシップランキングを争うビニャーレス(ヤマハ)、ペトルッチ(ドゥカティ)が共に転倒・リタイヤとなり、リンスはシーズン17戦を終えたところでシリーズランキング3位をキープしたまま次戦マレーシアGPに挑むこととなる。一方ルーキーのミルは13番手グリッドからのスタートにより前を行くグループのオーバーテイクに手間取るも、淡々と1台ずつ抜き去りながら着々と順位を上げ、終盤にはチームメイトのリンスと共に4番手争いを繰り広げる。トップグループを走るビニャーレスが最終ラップで転倒したことにより、4位争いは3位争いに変わり、表彰台獲得のチャンスが目の前に訪れるも、僅かに力及ばず5位でゴール。MotoGPクラスでのベストリザルトを獲得したミルはシリーズランキングでも12位まで浮上した。河内 健 テクニカルマネージャー「チームにとってはハッピーとアンハッピーの半分半分の結果でした。ジョアンの成長が見られたのは非常に嬉しいことでしたし、表彰台が見える位置でゴールできたので、グリッド位置がもっと良ければさらに上位を狙えるのではないかという手応えを得ることもできました。アレックスに関しては序盤良いペースでグリッド位置をうまくリカバーできたのですが、そこから後半が本来のアレックスのポテンシャルではありませんでした。後半にペースをキープできなかった理由をしっかりデータで確認し、次のレースに備えたいと思います。次戦セパンも我々にとって相性の悪いコースではないので、ジョアンはこの調子でさらに上を目指し、アレックスはしっかり挽回できるよう準備をして臨みたいと思っています。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「結果はさておき、今日はふたりのライダーが揃ってグループの中で激しい順位争いを繰り返し、素晴らしいレースができたと思います。ジョアンは後方からのスタートながらも着々と確実に順位を上げ、MotoGPクラスでのベストリザルトとなりました。彼の成長ぶりを見ることができ本当に嬉しい思いです。アレックスは終盤にペースを維持できず9位まで順位を落としてしまいましたが、4位争いグループで激闘を続け、強い走りを見せてくれました。ベストな結果ではないにしろ、今日のふたりの健闘には大変満足しています。次戦マレーシアでのふたりのライダーの更なる活躍に期待したいと思います。」ジョアン・ミル「今日は良いレースができたと思う。僕たちチームの努力が少しずつ形になっていって確実な手応えを感じることができていることが嬉しいね。ドライでのフィーリングがかなり良かったから、この週末の悪天候によってドライで走る時間が少なかったことが悔やまれるけど、MotoGPクラスでのベストリザルトになったし、本当にフィーリング良く乗れているんだ。決勝があと一周あったら表彰台を獲得できていたかもしれないね。」アレックス・リンス「悔しいし、残念な結果だった。トップグループは僕らよりちょっとペースが速くて逃げてしまったけど、僕自身もいくつかのコーナーではかなりアドバンテージがあったし、少なくとも表彰台争いができるチャンスはあったと思う。カル・クラッチローとはペースがほぼ同じだったのに、グリッド位置が悪かったせいで追い上げに時間が掛かってしまったのが敗因だったね。ここ数戦予選位置が悪いせいで、決勝でリザルトを残すことができていない。残り2戦はなんとしてでも予選でセカンドローまでに残れるようにしないとね。気持ちを切り替えて次のマレーシアでまた全力投球するよ。」