好天に恵まれたツインリンクもてぎにて開催されたMotoGP 日本グランプリには、55,000人を超える熱狂的なモータースポーツファンが詰めかけた。24周で行われる決勝レースに向けて、チームスズキエクスターのライダーは揃って前後にミディアムコンパウンドのタイヤをチョイス。2列目と3列目という好位置からのスタートで、アレックス・リンスは1周目には5番手につける。
2人のライダーはファーステストラップを記録する勢いで、すぐにトップ集団に加わる。そして、残り10周の時点で4番手、5番手の好ポジションに位置するものの、残念ながら、アンドレア・イアンノーネは10コーナーにて転倒。怪我がなかったのが幸いだったが戦列を離れてしまう。一方、リンスは表彰台獲得を目指して、カル・クラッチロー(ホンダ)の攻略にかかる。そして残り2周となった23周目。2番手を走行していたアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)が転倒したことにより、リンスは3番手にポジションアップ。2番手にあと少しと迫りつつ3位でチェッカーフラッグを受けた。また、シルバン・ギントーリはレースを完走し、来季の開発に向けた有効なデータを収集することに貢献した。河内健 (テクニカルマネージャー)「とても良いレースでした。アンドレアの転倒は残念です。彼に完璧なマシンを用意してあげられず申し訳ない気持ちです。ただ、転倒するまでの彼のパフォーマンスはとても良いものでした。また、アレックスも非常に良いパフォーマンスを見せてくれました。表彰台を獲得しただけでなく、2位獲得を目指してトライしてくれました。私たちはこの結果を本社から応援に駆けつけてくれた社長、社員の皆さん、そして多くのファンの前で見せることが出来たことを嬉しく思っています。この調子を続けていけるように引き続き頑張っていきます。」ダビデ・ブリビオ (チームマネージャー)「もちろん、今日の結果はとても嬉しいです。2人ともとても速かったですし、トップグループからも離されていませんでした。不幸にも、2人が4番手と5番手で走行しているときにアンドレアが転倒してしまいましたが、その後、アレックスがクラッチローとの距離を詰めていきましたね。ドビツィオーゾの転倒によって表彰台を獲得出来たのはラッキーだったとも言えるでしょう。しかし、私はペースの良さに注目して欲しいです。とても速く、トップからもそれほど離されないでレースを終えることが出来たことに満足しています。我々はまだ改善出来ることが分かっていますので、さらにハードに作業をしていくことを続けていきます。今日はスズキから社長とともに多くのエンジニアも応援に駆けつけてくれました。チームスタッフも含め、感謝の気持ちで一杯です。彼らの母国であるもてぎで表彰台を獲得出来たことはとても喜ばしいことです。」アレックス・リンス (3位)「僕にとってもチームにとってもとてもハッピーな気分だよ。なんといってもここはスズキにとってのホームレースだから尚更だね。僕たちは素晴らしいレースをしたよ。スタートも上手くいったし、レースペースも良かったんだ。ドビツィオーゾがクラッシュした後、状況をみるとクラッチローを追うにはちょっと離れすぎていると思ったんだ。でも、僕はやっぱり挑んでいくことを決めたんだ。ただ、彼のブレーキングはとてもハードだったから抜くまでには至らなかった。でも、3位を獲得出来たんだから結果には満足しているよ。僕はまだまだ勉強中だから、速いライダー達と戦うことをとても楽しんでいるんだ。最終戦まで表彰台をもっと獲得出来るように頑張るよ。」アンドレア・イアンノーネ (DNF)「不運にもあまり良いスタートが切れなかった。でも、すぐに順位を挽回してハードに攻めたよ。そうしたらリアから振動を感じるようになってブレーキングが安定しなくなったんだ。でも、なんとかそれをコントロールしながら攻め続けた。しかし10コーナーのブレーキングでフロントを失ってしまったんだ。すべてをこのレースに捧げるつもりで挑んだから、表彰台獲得は可能だったと思う。ただ、不運にもこういったことは起こってしまうんだ。もう、フィリップアイランドに向けて楽観的にいこうと思っているよ。あそこは本当に僕の好きなコースだからね。」シルバン・ギントーリ (21位)「開発ライダーからすると、とても忙しい週末になることを望んでいたんだ。たくさんのことを試さないとならなかったからね。メインとなる狙いは新しい試みのどこが一番強みになるかを判断すること。現行のレースバイクはすでにとてもいいレベルにあるんだ。アンドレアとアレックスが今日のレースで見せたようにね。その上で来年用のバイクにあと少しの余裕があればより強みになるからね。その任務に関しては上手くいったと思うよ。チームの頑張りと成果にとても満足しているよ。まだ、いくつかのテストが残っているけど、それが更なる前進に向けてとても重要なものになるんだ。」
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