MotoGP ロードレース世界選手権 第17戦 日本グランプリは、金曜、土曜と雨が降ったり止んだりの難しいコンディションの中でスケジュールが進んできたが、決勝は雨となり、アンドレア・イアンノーネが4位、チームメイトのアレックス・リンスは5位でそれぞれゴールとなった。これは今シーズン、二人にとってのベストリザルトで、それはそのままチームにとっても今季最高位を意味する。
このパフォーマンスは、レースの応援のためチームのピットボックスに駆けつけたスズキ 鈴木俊宏社長へのプレゼントとなった。Moto3クラスのウォームアップセッションでオイルが出てしまい、約2時間の赤旗中断となったことから、MotoGPクラスのウォームアップセッションは15分に短縮されて行われた。かなり強い雨も落ちてくる中、イアンノーネとリンス二人のライダーはウエットコンディションへのセットアップを着実に進めることができた。その結果、イアンノーネは1'57.554で8番手、リンスは上手くセットアップが進んだことから、1'57.215という好タイムを刻み、3番手に付けることに成功した。リンスのこのタイムはトップから0.5秒という僅差で、決勝への期待が高まるウォームアップセッションとなった。コース上はかなりの水量となっており、GSX-RRは雨の中で力強い走りを見せ、レース中、安定したペースを刻むことが出来た。レース序盤、イアンノーネは安定した高いペースを維持し、セカンドグループに加わった。状況を冷静に判断しながら上位を走り、終盤にはオーバーテークを見せて4位チェッカーとなった。一方のリンスはスタートで上手く飛び出すことが出来たが、直後の1コーナーで他車にアウト側に押し出されてしまい、大きく順位を落としてしまった。15番手までポジションダウンしたにも関わらず、ウエットで良いセットアップが出来ていたことから順調にポジションを回復し、先行するグループに追いつくとそのままの勢いでオーバーテーク。レース終盤まで安定してハイペースを刻み、残り数周になっても諦めずにプッシュし続け、5位でゴールした。アンドレア・イアンノーネ「非常に楽しいレースだったよ。そしてその結果は我々にとって、非常にポジティブなものになった。僕は良いスタートを切って、安定したペースをキープすることが出来た。安定したペースキープが出来るセットアップを見つけたことで、ウォームアップから決勝までポジティブに走ることが出来たよ。これは、今年直面している問題が解決出来る良いサインだと言えるね。でも我々はさらに進化するため、作業を続ける必要があるけど、今季序盤の状況から考えると飛躍的な進歩と言える。もちろん、どのサーキットでも今日のような走りが出来るよう、さらに作業は続けなければならないね。でも今は、このプロジェクトに関わるすべてのスズキの方々、チームスズキエクスターのチームクルーみんなにありがとうと言いたいよ。彼らは僕を信じ、これまでずっとサポートしてくれてきたからね。」アレックス・リンス「今週末は、これまででベストな週末だったんじゃないかな。このリザルトはファンタスティックで、バイクはこの週末、ウエットコンディションの中で非常に素晴らしい働きをしてくれた。このレースはとてもポジティブなものだよ。決勝ではスタート直後の1コーナーで大きく順位を落としてしまったんだけど、すぐ順位を回復することが出来、最終的には5位でゴールすることが出来たんだ。本当に素晴らしい結果だよ。ザルコ選手とのバトルでタイムを落としてしまうラップもあったし、ウエットコンディションは本当に難しかった。でも今日のレースの中でたくさんのことを学ぶことが出来たし、今は次のオーストラリアGPがとても楽しみだよ。」河内 健 テクニカルマネージャー「今シーズンここまで、我々は良い結果が得られずに苦戦してきました。なので、今日のレースは非常に嬉しい結果となりました。惜しくも表彰台には届きませんでしたが、我々のマシンは緻密な作業をコツコツと続けることによって着実な進歩を遂げています。今週末もすべてのセッションを通して、ライダーにとってベストなセットアップとなるよう作業を続けました。我々を応援してくれるファン、スズキのエンジニア達など多くの方々にこの結果を見てもらう事が出来て、今は少しほっとしています。我々は、再びこのような結果を出すためにも、またドライコンディションでのパフォーマンスを上げるためにも、さらに進化しなければなりません。二人のライダー、全てのチームスタッフ、我々を応援するために今日もてぎに来てくださった方々に、改めて感謝します。ありがとうございました。今シーズン最終戦まで、我々はもっともっとプッシュしていきます。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「今日我々はとてもハッピーです。それは表彰台獲得や勝利のためによるものではありませんが、シーズン中ずっと積み重ねてきた努力が報われた結果を得ることが出来たからです。日本のレースで、スズキの社長やマネージャー達がガレージで見守る中で二人のライダーがトップ5に入れた事は、非常にポジティブでした。我々は彼らに素晴らしいレースを見せる事が出来ました。この週末は、コンディションがコロコロ変わり、とても難しい状況となりました。簡単にミスを冒しやすい、本当に難しいコンディションだったのです。しかし二人のライダーは素晴らしい仕事をしてくれました。アンドレアはレース中ずっと非常に良いペースをキープしました。アレックスもスタート直後に15番手まで順位を落としながら、5位までリカバーしました。それはパーフェクトな走りでした。今日のレース結果は、我々をプレッシャーから少しだけ解放してくれました。変わったコンディションのレースでの結果と言う事は承知していますが、そこでミスをしなかったという事が重要なのです。」関連:【MotoGP】 第15戦 日本グランプリ 結果:ドヴィツィオーゾが逆転優勝!
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