2025年MotoGP第9戦オランダGP(ダッチTT)は6月29日、伝統のTTサーキット・アッセンで決勝レースが行われ、ポイントリーダーのマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が今季4勝目を挙げた。一方、弟アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)は転倒により左手中手骨を骨折、チャンピオンシップ争いで大きく後退した。
マルク・マルケスは5周目にジョアン・ザルコを追い抜いて首位に立つと、そのままトップを堅持。終盤に迫ったマルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)との攻防を制し、最終的には0.635秒差でチェッカーフラッグを受けた。アッセンでのMotoGPクラス勝利は自身3度目。この勝利により、マルクはタイトル争いで大きくリードを拡大。アレックスはレース中のアクシデントによりリタイアを喫し、タイトル争いでは兄に対して68ポイント差まで後退することとなった。アレックス・マルケス、転倒で骨折アレックス・マルケスは序盤のバトルでポジションを落とし、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)にストラッベンで押し出され5番手に後退。その2周後に同じ場所で反撃を試みたが、コーナー出口で両者のマシンが接触、アレックスのバイクは挙動を乱しグラベルに突っ込んでリタイアした。転倒直後から左手の痛みを訴えており、検査の結果、左手第2中手骨の骨折が判明。今夜中にマドリードで手術を受ける予定で、今後の参戦可否は現時点では未定。ベッツェッキが2位、バニャイアは3位マルク・マルケスに次ぐ2位にはベッツェッキが入り、アッセンでの表彰台を獲得。ベッツェッキは最終ラップまでマルケスを猛追したが、逆転には至らず、クールダウンラップでイタリア国旗を受け取った直後に転倒するという幕切れだった。3位にはフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が入り、アコスタは4位。マーベリック・ビニャーレス(テック3KTM)が5位で、KTM勢2台がトップ5に入る結果となった。クアルタラロはポールから10位まで後退ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)はポールポジションからスタートしたが、スタート直後から順位を落とし、10位でのフィニッシュに終わった。序盤にはフェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)の転倒に巻き込まれかけたほか、レース全体を通じてペースが上がらなかった。チームメイトのアレックス・リンスも序盤の接触で後退しつつも13位で完走。一方、アルデゲル、ジョアン・ミル、ミゲル・オリベイラ、アイ・オグラ、ロレンツォ・サバドーリらはリタイアとなった。チャントラが初ポイント獲得Attrition(脱落者)が相次いだ今回のレースで、IDEMITSUホンダLCRのソムキアット・チャントラが15位に入り、MotoGPクラスで初ポイントを獲得。最終盤には代役参戦中のアレイシ・エスパルガロ(ホンダHRC)との接戦を制し、価値ある1点をもたらした。MotoGP オランダGP 決勝結果(上位15台)1.マルク・マルケス(ドゥカティ)2.マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)+0.635秒3.フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)+2.666秒4.ペドロ・アコスタ(KTM)+6.084秒5.マーベリック・ビニャーレス(テック3KTM)+10.124秒6.ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)+12.163秒7.フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)+18.896秒8.ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)+20.295秒9.エネア・バスティアニーニ(テック3KTM)+23.687秒10.ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)+23.743秒11.ブラッド・ビンダー(KTM)+24.251秒12.ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)+24.875秒13.アレックス・リンス(ヤマハ)+24.882秒14.ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)+25.065秒15.ソムキアット・チャントラ(LCRホンダ)+49.219秒リタイア:アレックス・マルケス、フェルミン・アルデゲル、ジョアン・ミル、ミゲル・オリベイラ、アイ・オグラ、ロレンツォ・サバドーリ
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