終日、青空が広がったカタルニアGPの予選は、地元ファンの声援を受けて熱走を見せたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2番グリッドを獲得した。今季5回目のポールポジションは逃したが、マルケスはフロントロー獲得という目標を達成、今季4勝目と5年ぶりの大会制覇に向けて、大きな一歩を踏み出した。
今大会はタイヤ選択の難しい大会となり、タイヤパフォーマンスを最大限引き出すセットアップに取り組んだ。土曜日も、FP3、FP4では、ソフト、ミディアム、ハードという3種類のタイヤを組み合わせてデータを蓄積、決勝レースに向けて準備を進めた。今大会は、イタリアGP同様、タイム差がほとんどない大接戦となっており、厳しい戦いが予想される。そのため決勝では、天候や路面コンディションに合わせ、ミスのないタイヤ選択が求められるが、地元ファンの声援の中で全力を尽くす意気込みだ。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、予選9番手、3列目から決勝に挑む。初日はセットアップが思うように進まず10番手だったが、2日目のFP3ではセットアップを大きく前進させて3番手に浮上した。Q2では大接戦の中で9番手とポジションを落としたが、決勝に向けて手応えある一日となった。今年は開幕戦カタールGPで表彰台に立ったが、以後、不運のレースや転倒などもあり、なかなか表彰台に立てないレースが続いている。今大会は、今季2回目の表彰台獲得と今季初優勝に挑む。昨年の大会で優勝しているホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)が10番グリッドを獲得した。予選では今季ベストを更新することはできなかったが、フリー、予選と安定したラップを刻み、今季一番の仕上がりとなった。Repsol Honda Teamに移籍して7戦目。地元ファンの声援の中で今季ベストリザルトが期待される。初日3番手と好調なスタートを切った中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、路面とタイヤのマッチングに苦しみ、思うようにセットアップを進めることができなかった。そのため4戦ぶりにQ1からの予選となり、Q1でも思うようにタイムを更新できず、16番グリッドから決勝に挑むことになった。初日のフリー走行では、これまでのベストリザルトとなる3番手。予選では一転して今季ワーストリザルトとなる16番手と、難しいコンディションだったことをうかがわせる結果となったが、今大会は粘り強いレースで後方から追い上げる意気込みだ。マルク・マルケス(MotoGP 2番手)「ここまでのレースウイークを思えば、今日の結果は、とてもうれしいです。フロントロー獲得を目標にしてきましたが、それを達成することができました。今日はポールポジションを獲得できたかもしれません。しかし、最後のラップの4コーナーでミスをしてしまい、わずかに届きませんでした。今日の(ファビオ)クアルタラロ(ヤマハ)はすばらしい走りをしていましたが、自分もいいペースとリズムがあったので満足しています。FP4ではユーズドタイヤでとても安定したラップを刻むことができました。どこでアドバンテージを得られるかを考え、すべてを分析して、日曜日のホームグランプリを楽しみたいを思います」カル・クラッチロー(MotoGP 9番手)「予選でのパフォーマンスよりも、FP3でトップ3の走りができて、Q2に進むことができてうれしかったです。しかし、予選ではコーナーの進入に少し問題があり、3列目になってしまいました。マルクも同じ問題を抱えていたようです。そのためタイムを落し9番手に終わりました。明日のレースではベストを尽くしたいと思います。トップグループで戦えるペースはあります。明日のウォームアップでしっかりセットアップをまとめて決勝に挑みたいです」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 10番手)「今年一番安定した週末になっています。一歩前進できたと思うし、この進歩はとてもポジティブです。決勝ではこれまでよりいい結果を出せると思います。マシンがとても快適になりました。ロングランのペースもとてもいいので、レースでも引き続き前進できると思います。また、月曜日のテストでも、一歩前進できると思います」中上貴晶(MotoGP 16番手)「今日は厳しい一日になりました。路面コンディションは前日よりよくなりましたが、気温も路面温度も上がり、午後のFP4、Q1は苦戦しました。セットアップもうまく決まらず、安定したラップも刻めませんでした。明日の決勝も、今日と同じようにタイヤのパフォーマンスを引き出すのが難しいコンディションになると思うので、しっかりセットアップをまとめ、粘り強いレースをしたいです。今大会は、みんなが苦戦していて、誰も1分38秒台にいれられず、39秒台に入れるのも厳しい状況でした。明日の決勝は、フロントにミディアムかハード、リアはソフトかミディアムのどちらかを選ぶことになりますが、今大会は、耐久性よりもグリップを優先するタイヤ選択を視野に入れています。今日は難しいコンディションになると思っていましたが、予想以上に厳しい一日になりました。自分たちのポテンシャルを証明できない一日でしたが、明日はしっかりとコンディションを見極め、ベストな走りを見せたいと思っています」
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