MotoGP 第5戦フランスGPは、終日断続的に雨が降る不安定なコンディションとなり、選手にとってもチームにとってもハードな一日となった。その中で、ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がトップタイムをマーク。2番手にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)、4番手にカル・クラッチロー(LCR Honda)が入り、Honda勢が好スタートを切った。
午前中1回目のセッションは、ウエットコンディションで始まり、徐々にライン上が乾いていく微妙なコンディションとなり、タイヤもレインからスリックへと変更することになった。ジャック・ミラーは、フルウエットとなった午後の走行でも7番手と、一日を通して好調な走りを披露した。前戦スペインGPでは他車の転倒に巻き込まれてリタイア。今大会は、その雪辱に挑む。今季2勝目を狙うマルク・マルケスが、目まぐるしくコンディションが変わる1回目のセッションで2番手に。フルウエットとなった午後のセッションでも2番手につけて、順調なスタートを切った。今回は、前戦スペインGP終了後の公式テストでトライしたニューパーツを投入。ウエットでもドライでも順調にセットアップを進め、土曜日の予選では今季3回目のポールポジション(PP)を狙う。4番手につけたカル・クラッチローは、ライン上が乾いていく1回目の走行では4番手と好調なスタートを切ったが、フルウエットになった午後のセッションでは思うようにタイムが伸びず13番手。土曜日のフリー走行と予選では、引き続きマシンのセットアップを行う。前戦スペインGPで今季初優勝を果たしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は1回目のセッションで13番手、2回目のセッションでも21番手と、苦戦の一日になった。2日目のフリー走行と予選では、不安定なコンディションの中でいかにグリップ力を引き出すかが大きな課題となる中、2戦連続のPP獲得と優勝に向けて、タイムの短縮とポジションアップに挑む。ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は総合18番手に。午前のセッションは18番手、午後のセッションでは17番だったが、不安定な天候の中で着実にセットアップを進めた。土曜日の予選では、ポジションアップに挑む。ジャック・ミラー (MotoGP 1番手)「ル・マンの初日をトップタイムで終えることができてとてもうれしいです。ヘレスの転倒を取り戻すには完ぺきなスタートとなりました。FP1でトップタイムだったことが勢いになり、午後もポジティブなセッションとなりました。FP2は、セッションを通して同じセットのタイヤを使い、ミシュランのレインタイヤで24周走りました。いいペースがありました。しかし高速コーナーでハイドロプレーニングが起きてしまい、そのため、少し早くセッションを切り上げました。もし新品のレインタイヤを使っていたらもっと速く走れたと思いますが、午前中のラップを考えたらその必要性を感じませんでした」マルク・マルケス (MotoGP 2番手)「ル・マンは、どんなコンディションに対しても準備を整えておくことが重要になるので、今日はいいスタートが切れてよかったです。午前中はコンディションが変わり、ライン上がどんどん乾いていき、最後はスリックで走ることができました。FP2のフルウエットでも速く走れたのは、最も重要なことでした。セットアップをしながら2度目にコースに出たときにはとてもいい感触がありました。明日はドライになりそうですが、天候を見ながらセットアップを進めたいです。決勝もドライになりそうなので、マシンのセットアップが重要になります。新しい路面は、ウエットで走った感じでは最高です。グリップはとてもよく、タイヤを温めるのは簡単ではありませんが、一度温めればとても速く走ることができます」カル・クラッチロー (MotoGP 4番手)「午前中のセッションは悪くはありませんでしたが、リスクを負わないようにしました。こういう日にもしミスを犯したら、大きな代償を支払わなければなりません。特に日曜日がドライになることが分かっているときは特にそうです。最近、ウエットコンディションではいつもいい走りができているのですが、フルウエットになった午後のセッションでは13番手でした。いくつかの小さな問題を抱え、タイヤとマシンのフィーリングがあまりよくなく、トップから1.7秒も遅れました。今日はあまり気持ちよく走ることができませんでしたが、マシンの状態がよくなれば、日曜日にいいレースができるのは確実です」ダニ・ペドロサ (MotoGP 14番手)「午前中はコンディションが変わりやすい状態でした。ウエットで始まり、最後はほとんどドライになりましたが、少し難しいセッションでした。スリックに変えたのが少し遅すぎたため、ラップタイムを更新することができませんでした。午後はなぜかリアタイヤを十分に温めることができず、グリップがありませんでした。改善しようとしましたが、どうしてなのか分かりませんが、うまくいきませんでした。いずれにしても、明日に集中します。残りの2日間は天候がよくなりそうなので、フィーリングを改善し、レースに向けて準備をしっかり整えたいです」ティト・ラバト (MotoGP 18番手)「午前中のセッション終盤は、とてもいい感触がありました。しかし、最後までスリックタイヤには変更しませんでした。そのため午前中にポテンシャルをすべて見ることができませんでした。FP2では、走り出しは快適さを感じられませんでしたが、2度目にコースに出たときにはリズムを見つけることができました。午後はツナギに少し問題があったので、快適に走ることができませんでしたが、明日に向けて問題を解決します」
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