MotoGP - 強風に見舞われ、難しいコンディションのなかで行われた第4戦アメリカズGPで、Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロは持ち前の粘り強さとファイティング・スピリットを発揮し、7位でチェッカーを受けて9ポイントを獲得した。チームメイトのフランコは終盤までタイヤを温存して3台をパスしたが、最終ラップでコースリミット越えのペナルティによりひとつ下げ、16位となっている。WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのアンドレア・ドビツィオーゾとダリン・ビンダーともに20ラップを走り切り、それぞれ15位と22位...
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロが7位、モルビデリ16位クアルタラロはグリッド6番手から絶好のスタート。5番手に上がってトップグループの背後につけた。しかし序盤の激しい競り合いのなかで少しずつ後退し、5ラップ目には8番手まで下げてしまう。中盤になると、スタートで出遅れていたM・マルケス(ホンダ)が猛追。クアルタラロはYZR-M1のコーナースピードを最大限に引き出して応戦し、まずJ・ザルコ(ドゥカティ)をパスして7番手に浮上。しかしそのあとすぐにマルケスに先行を許し、再び8番手に後退した。このあとはマルケスの後方についてチャンスを窺いながら、他のライダーともバトルを展開。初めにJ・マルティン(ドゥカティ)がその相手となったが、すでに決意を固めていたクアルタラロはリスクを冒して攻め切り、これを抑え込んだ。最後の2ラップでは再びマルケスにプレッシャーをかけていき、マルケスが第6コーナーでミスする間に一瞬、前へ。この混乱のなかで辛うじて接触を避けたクアルタラロは、素早く体勢を立て直して第2セクターでもう一度トライ。しかしわずかに届かず、マルケスに続く7位でチェッカーを受けた。トップとの差は6.760秒だった。一方、ウイーク初日から苦戦が続いていたモルビデリは決勝も難しい展開。グリッド19番手からスタート後、ひとつ上げてからすぐ20番手に後退し、その後は終盤での挽回に賭けてタイヤを温存する走りに徹していた。7ラップまでにリズムをつかみ、R・ガードナー(KTM)パスしたあとは18番手をキープして単独走行。残り3ラップになると期待通りにタイヤの優位性が現れ始め、M・オリベイラ(KTM)、アンドレア・ドビツィオーゾ、L・マリーニ(ドゥカティ)を次々にパスして15番手まで浮上した。そのままポジションをキープしてゴールまで走り切ったが、レース後にコースリミット越えのペナルティが課されて16位となった。この結果、クアルタラロとモルビデリは、それぞれ合計44ポイントと14ポイントでランキング5位と15位。ヤマハは合計44ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計58ポイントでチーム・ランキング6位となっている。WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのドビツィオーゾがポイント獲得グリッド15番手からスタートしたドビツィオーゾは1ラップ目を16番手で終了。懸命にペース・キープを試みるも、なかなかリズムをつかめず、9ラップ目にはもうひとつ下げて17番手に後退した。それでも終盤を迎えると徐々にラップタイムを短縮。残り2ラップでは再び16番手に上がり、さらにモルビデリを追って15番手争いを展開した。結局、届かず16番手でゴールしたが、モルビデリがペナルティを受けたため、ひとつ上げて15位となった。一方のビンダーは、グリッド最後尾からのスタートと厳しい状況。そのなかでも、どんなチャンスも逃すまいと、全20ラップのレースを通して着実に経験を重ね、多くを学んだ。スタート直後にひとつ上げ、レース中盤では20番手に浮上。残り4ラップまで他のルーキー勢とバトルを展開していたが、電子制御システムの不具合が発生したため一旦、ピットへ。その後、再スタートして22位でチェッカーを受けた。Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ(7位)「レース序盤はアルゼンチンGPと同様の問題が少し出ていました。そのためライバルたちと比べるとグリップが不足していましたが、何とか乗り切ることができたと思います。序盤は大勢が接近しているのでポジションをキープするのは大変です。それでもいいレースができましたし、走りをエンジョイできたのでハッピーです。バトルは非常に激しく、たとえ6位争いであろうとマルクとの競り合いは楽しいものでした。ウイークを通してあまり調子は良くありませんでしたが、今回はとても価値あるものになったと思っています。勝利したレースよりも、今日のようなレースのほうが学ぶことが多いものです。今日はたくさんのことを学べたので満足しています。このあとはヨーロッパ・ラウンドに入りますが、そこではヤマハに優位なコースもたくさんあります。私はただ、いつも通りにベストを尽くすだけです」フランコ・モルビデリ(16位)「ウォームアップ・セッションでセッティング変更を決定し、テストをしないまま決勝に臨むことになりました。実際のところフィーリングは悪くなかったのですが、やはり調整は必要ですし、決勝を走りながら乗り方を探っていく状態だったのです。ですから少しずつ、1ラップ1ラップ学んでいきました。終盤でオーバーテイクできたのは良い成果だったと思っています。引き続きハードワークに励み、課題を理解し、また上位で戦えるよう頑張ります」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「厳しいレースは始めから予想していました。そのなかでふたりとも全力を尽くしてくれました。ファビオ(クアルタラロ)は守備も攻撃も怠らず、常に100%で走るライダーですが、今日はそこにさらに10%を加算していました。フランキー(モルビデリ)はグリッド19番手スタートですから、より一層、厳しい戦いになりました。しかし周回が進むにつれて調子が上がり、新しいセッティングにも慣れてきてオーバーテイクを成功させています。ペナルティによってポイント獲得のチャンスを失ってしまったことは残念です。ここまでの4戦、私たちは決して満足していません。ヨーロッパ・ラウンドが楽しみです」WithU Yamaha RNF MotoGP Teamアンドレア・ドビツィオーゾ(15位)「もっと上を目指していたので、正直、とてもがっかりしています。前との差を詰めようとがんばったのですが、マシンのフィーリングがあまり良くなくて、思うような走りができなかったのが残念です。安定した走りを目指していましたが、走行中にリラックスできていないとエネルギーを使い過ぎてしまいます。私はプラクティスのなかでほぼ使い果たし、決勝では十分な力が残っていない感じでした。マリーニ、オリベイラ、モルビデリとバトルしましたが、あまり速くなかったし、フィーリングも良くありませんで...
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