2年ぶりの開催となったアメリカズGPは、午前中は断続的に雨が降る天候だったが、午後は青空が広がり、気温も31℃まで上昇した。MotoGPクラスは、FP1はウエット、FP2はドライとコンディションが変化する難しい条件となったが、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、ケガから復帰後、初めて両セッションでトップタイムをマークし、今季初めて総合首位で初日を終えた。
ウエットコンディションでは2分20秒台からスタートして着実にタイムを上げて、2回目のコースインでは、ただひとり2分15秒台で走行してトップへ。ドライコンディションとなった午後のFP2では、路面コンディションを確認しながら、2分6秒台からスタートし、最後は2分4秒164までタイムを短縮。ウエット・ドライともにトップタイムをマーク。今季初めて総合首位で初日を終えた。これまでサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、2013年から19年まで7年連続でポールポジションを獲得。13年から18年まで6年連続で優勝している。19年はトップを快走しながら転倒リタイアという悔しいレースだった。コロナ禍の中で今年は2年ぶりの開催となったが、ケガから復帰して今大会が13戦目。昨年骨折した右腕上腕が確実に回復していることを感じさせる初日となった。COTAのベストタイムはマルク・マルケスの持つ2分2秒135。2日目のフリー走行、そして予選では、自身が持つサーキットベストタイムに挑戦する。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が4番手と好調なスタートを切った。FP1、そしてFP2とマルク・マルケスを追走し、COTA最速のマルク・マルケスの走りを学び、それをタイムにつなげた。ウエットコンディションとなったFP1では、マルク・マルケスと0.950秒差の2分16秒822で5番手。ドライコンディションのFP2では、マルク・マルケス同様、2分6秒台から2分4秒台へとタイムを短縮。総合4番手で初日を終えた。前戦サンマリノGP後にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われた2日間の公式テストで、さまざまなことにトライしたRepsol Honda Teamの両選手。この日は両選手ともにバンプに苦労したが、その成果をしっかりと発揮する一日となった。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)も総合5番手と好調なスタートを切った。ウエットコンディションとなったFP1では慎重な走りで16番手だったが、ドライコンディションになったFP2では一気にタイムを上げて5番手に浮上した。セッション終盤にはトップに浮上し注目を集めた。ラスト5分のアタック合戦で5番手へとポジションダウンしたが、イギリスGP、アラゴンGP、サンマリノGPとやや精彩を欠く走りから復活をアピールする一日となった。チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、初日総合16番手だったが、ウエットコンディションとなったFP1ではポル・エスパルガロに続いて6番手と快調にラップを刻んだ。ドライコンディションとなったFP2では、2分6秒台で連続ラップを刻んだが、新品タイヤのアタックで思うようにタイムを出せず、2分5秒614で16番手だった。2日目のFP3では、ダイレクトでのQ2進出を目指す。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「今日はトリッキーな一日となり、路面コンディションも簡単ではありませんでした。バンプがたくさんあり、安定したラップを刻めず、どこでプッシュすればいいのか、どこが限界なのかを理解するのがとてもたいへんでした。今日はウエットでもドライでもいいフィーリングがありました。午後は違うオプションを試すこともできました。マシンと自分の力をオースティンで最大限引き出さすために、まだ取り組まなければならない部分があります。今シーズン一番の金曜日になりました。目標は、もちろん、これを今週末キープすることです」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「極端なコンディションでは、いつも快適に走行してきました。とても寒かったり、強風だったり。今日は非常にバンピーのコンディションでしたが、いいラップタイムを刻むことができました。でもバンプのために首がとても痛く、このサーキットは本当に体力を消耗します。レースでは、体力的にも、また安定した走行を続けることも、とても難しいと思います。マシンはとてもよく機能しています。ウエットでもドライでも力強い走りができたので、どのような週末になるか楽しみです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「今日はいい一日でした。FP1はウエットコンディションでしたが、午後のFP2はドライコンディションになり、違うコンディションのセッションを経験することができました。5番手で終えることができたので、いいスタートになりました。トラックにはたくさんのバンプがありましたが、マシンのフィーリングはとてもよかったです。もちろん改善の余地はありますが、初日としては、とても満足しています。引き続き前進していきたいです」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「午前中はウエットであまりいいフィーリングがありませんでしたが、セッションの最後に少し調整したら、とてもいいフィーリングになり、6番手でフィニッシュできました。そして午後は完全にドライになり、前進しようとがんばりましたが、かなり難しかったです。ソフトタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せませんでした。コンディションはあまり関係ありません。可能な限り速さを求め、前進しなければなりません。また、もっとプッシュする方法を学ばなければなりません。チームはいい仕事をしています。明日はきっと前進できると思います」
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