終日青空が広がったアラゴンGPのフリー走行は、初日から厳しい戦いとなった。FP1では、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)がトップタイムをマーク、4番手にアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)、9番手に中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)、10番手にポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)と、Honda勢4選手全員がトップ10入りを果たした。
好調なスタートを切ったHonda勢だが、気温も路面温度も上がった午後のFP2では、路面コンディションがよくなったことから一気にタイムが向上し、トップから1秒差に17台という大接戦となった。その中で、総合順位ではマルク・マルケスの8番手を筆頭に、中上貴晶が9番手、ポル・エスパルガロが11番手、アレックス・マルケスが14番手という結果だった。FP1でトップタイムをマークしたマルク・マルケスは、このセッションでただ一人1分48秒台をマーク。2番手に0.971秒の大量リードを築いた。FP2ではさらにタイムを短縮する予定だったが、セッション開始からわずか4周目に転倒。転倒の理由は、前を走る弟のアレックス・マルケスをパスする際にワイドなラインを通り、その際に汚れた路面でスリップしたためだった。その後は、セカンドマシンで決勝に向けてハードタイヤをテスト。FP2の順位は20番手だったが、総合では8番手。明日のFP3ではさらにポジションを上げてダイレクトでQ2進出を果たし、予選ではフロントローとポールポジション(PP)を目指す。モーターランド・アラゴンのサーキットベストタイムは、マルク・マルケスが2015年に記録した1分46秒635。今大会は、その更新を目標に挑む。中上貴晶は、今大会で日本人選手としては初のグランプリ200戦目を迎えた。昨年、アラゴンでは2週連続でグランプリが開催されたが、その2週目のテルエルGPで初PPを獲得。今日も大接戦の中で手応えある走りを続け、総合9番手で初日を終えた。FP1は、フロントにソフト、リアにミディアムを装着して1分49秒から50秒台で連続周回して9番手。気温27℃、路面温度が44℃まで上昇したFP2では、フロントにハード、リアにミディアムを装着して1分49秒台でラップを刻み、セッション終盤のアタックは、フロントにミディアム、リアにソフトを装着してセッション8番手タイムを刻んだ。前戦イギリスGPで、Repsol Honda Team移籍12戦目にして初PPを獲得し、決勝では5位と今季ベストリザルトでフィニッシュしたポル・エスパルガロは、Honda RC213Vで初めて走るモーターランド・アラゴンを着実に攻略した。初日は、タイヤテストに集中し、総合11番手。さまざまな組み合わせにトライして、データを収集した。ポル・エスパルガロは、明日のFP3ではダイレクトでのQ2進出を目指し、予選では2戦連続のフロントローとPP獲得に挑む。2連戦となった昨年の大会で、1戦目のアラゴンGPでは2位表彰台に立っているアレックス・マルケスは、今年も好調な走りを見せた。FP1では、兄のマルク・マルケスとランデブー走行をし、FP1でトップタイムをマークしたマルクをピタリとマークして4番手タイム。FP2では、さまざまタイヤの組み合わせにトライし、決勝に向けて準備を進めた。最後のアタックでは新品タイヤのパフォーマンスを十分に引き出せずに14番手だったが、FP3ではダイレクトでのQ2進出を目指し、今季初のトップ10入りを目指す。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「今日は完ぺきなプランがありました。FP1で新品タイヤを使い、FP2でレースに向けて取り組むという予定を立てていましたが、転倒してしまったためにプランを少し変えました。ハードリアをテストするチャンスができたので、今日の転倒の影響はそれほどありませんでした。転倒したときは、うまくコントロールして走行しているときだったので、フラストレーションがたまりました。僕はアレックスの後ろにいてスリップストリームを使い、少しブレーキングを遅らせました。速すぎたのは分かっていました。それでワイドに走行しようとしましたが、路面の汚れた部分に乗って転倒してしまい、悔しいです。今日は体力を温存するために数周しかプッシュしませんでした。でもレースペースでプッシュしたときのラップタイムはよかったです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「今日はいいスタートになりました。今のところマシンのフィーリングはいいです。午前中の路面コンディションはあまりよくありませんでしたが、ラバーが乗ってFP2はコンディションがよくなり、みんなラップタイムを更新していました。明日のFP3と予選セッションがとても楽しみです。FP3ではトップ10をキープしてQ2へ備えなければなりません」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「今日はかなり接近した戦いになりました。トップ5から僕の11番手まではわずか0.1秒差しかなく、ほとんど差はありません。小さなミス一つで4番手から11番手まで落ちます。そのため、FP3はとても重要になりますし、ミスをせずに周回しなければなりません。スロットルオフのわずかな時間の差でQ2ではなくQ1に進むことになってしまいます。でも、今日はいい一日でした。レースに向けて集中してメニューを消化できたし、予選に向けて準備が進みました。今日はいいスピードがあり、結果にも満足しています。今後に向けて実りのある一日になりました」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「午前中のFP1はとてもうまくいきました。マシンのフィーリングは午後のFP2もかなりよかったと思います。今日、最も重要なことはすべてのタイヤオプションにトライできたことです。また、どのセットアップで取り組むかを考えました。そのため、いろいろなことがクリアになり、いい仕事ができました。FP2の最後にソフトタイヤでプッシュしましたが、思うようにパフォーマンスを引き出せませんでした。それ以外は満足していますし、ポジティブな一日になりました。コースのフィーリングはとてもいいです。明日はいろいろと磨き上げて、改善しなければなりませんが、マシンのフィーリングはすばらしく、楽しいです。引き続きこの調子で仕事に取り組むことが一番重要です」