クアルタラロはシュピールベルク2戦目へ準備万端、ビニャーレスは欠場Monster Energy Yamaha MotoGPは今週末、シュピールベルクで2戦連続となる第11戦オーストリアGPに臨む。ファビオ・クアルタラロは第10戦スティリアGPで3位表彰台を獲得し、チャンピオンシップのリードを40ポイントに拡大した。ドライ・コンディションのセッティングには満足しており、今回は前回の決勝データを活用しながらチームとともにさらに前進を目指し、もう一度、表彰台獲得を狙う。
一方、M・ビニャーレスは、オーストリアGP出場を取り止めることとなった。この欠場は、先週のスティリアGP決勝中のビニャーレスによるイレギュラーなバイク操作に起因する。当社は過去数日間のデータを綿密に分析し、この操作がYZR-M1のエンジンにダメージを与える可能性があったとした。さらにこのダメージにより、ライダー自身にリスクがあるだけでなく、ともに走行する他のライダーたちにも危険を及ぼす可能性のあるものだったため、今回の決定を下すに至った。今後のレースに関しては、データのより詳細な分析とライダーとの話し合いを経て決定する。なお、オーストリアGPでは代替ライダーはおかない。シュピールベルクは1969年に建設され、1996年に現行のコース・レイアウトに改修された。1990年代に2回のオーストリアGPを開催したあと、19年のブランクを経て2016年に復活。以来、毎年のMotoGPの舞台としてカレンダーに固定された。レイアウトは特徴的で、コーナーは合計10(左-3、右-7)と少なく、最長626メートルのストレートをはじめ、複数のロング・ストレートがこれらをつないでいる。そのためトップスピード、加速性能、ブレーキングの安定性に重点が置かれ、何度もフルスロットルのチャンスが訪れる。シュピールベルクで2戦目となるオーストリアGPへ先週、第10戦スティリアGPが行われたシュピールベルク・サーキットにおいて、今週末は第11戦オーストリアGPが開催される。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamからは前回同様、バレンティーノ・ロッシに加えてカル・クラッチローが出場する。第10戦では終始、ペースを維持してポイントを獲得したロッシ。このなかで改善すべき箇所を特定しており、今回はその課題克服に集中してトップ10争いを目標にセッティング作業に取り組む。チームメイトのクラッチローは前回、PETRONAS Yamaha SRTでの初レースを慎重にミスなく走り切り、セクター毎の自己ベストを何度も更新するなど健闘した。2回目となる今回はその経験を生かしてさらなるスピードアップを目指す。Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ「シュピールベルク・サーキットはヤマハにとって簡単なコースではないので、先週の3位獲得を満足しました。戦いは熾烈ですが、私自身は完ぺきな走りができていました。実際、先週のレースのなかで多くのことを学ぶことができたのです。3位を走っていたとき、後方と2.5秒離れていたので、いくつか新しいことを試してみました。通常、決勝でそのようなことはしませんが、このときは、いくつか違うラインを走ってみたのです。何かを学べた気がしますし、今回に向けて有用なデータを得ることができました。改善すべき箇所がわかったので、展開が楽しみです。オーストリアでチャンピオンシップのリードを拡大できるとは考えていませんでしたが、今回はどうなるか、状況を見守ります」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「先週は全体的に非常に良いウイークになりました。クアルタラロ選手のドライ・コンディションでのペースは素晴らしく、この点においては実際のところ、もうあまりやることはありません。しかしながら私たちは常にデータ分析を通してすべてのエリアの最適化を目指しています。そうすることでさらに速くなり、もう一度、表彰台にチャレンジするための準備をするのです。今週は先週よりも天気が良さそうですが、もしも雨が降れば、そのチャンスを最大限に利用してパフォーマンス向上を目指します」PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamバレンティーノ・ロッシ「3日間だけですが家に戻り、このオーストリアGPに備えてトレーニングを行いながら、いい時間を過ごしてきました。シュピールベルクでの1戦目はまずまずの出来で、何台かとバトルしてポイントを獲得できました。ここからどうやって改善していくか、とくにセッティング面において細かいところをいろいろ試していきます。すべてのフリープラクティスで良い仕事をして、予選でグリッド好位置を確保し、日曜日には好スタートを決めて、前回同様ハイペースを維持してポイント獲得を目指します。トップ10争いに加わることが目標です」カル・クラッチロー「先週は久しぶりにレースに出場することができてとてもうれしく、体力的にも良い状態を維持できたので満足しています。リアのトラクションに苦戦したのですが、以前にはなかったことなので、データを分析して原因を追究しなければなりません。2戦目となる今回はパフォーマンス向上とスピードアップを目指していきます。まだ伸びしろが残っているので、さらに3日間、同じサーキットで作業に取り組めることはとても楽しみです」
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