2021年のMotoGP 第4戦スペインGPの予選は、Q2に進出した12人の選手のタイム差が0.747秒という厳しい戦いとなった。フロントローに並んだ3選手のタイム差は0.105秒。3列目9番手までが0.369秒という今季最も接近した戦いとなった。その中で中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)がHonda勢トップの5番手につけた。
初日6番手と好調なスタートを切った中上貴晶は、午前中のFP3でただ一人1分36秒台の好タイムをマークして総合首位でQ2進出を果たした。そして迎えたQ2では、1回目のアタックで3番手タイムをマーク。今季初のフロントローが期待されたが、2回目のアタックではタイムを更新できず5番手へとポジションを落とした。しかし、決勝に向けて重要なセッションとなるFP4では1分38秒台で連続周回を果たし4番手と、優勝争いに加われる走りをみせ、初表彰台獲得へ期待を膨らませた。カタールで開催された開幕2連戦では転倒やノーポイントと、今年は厳しいシーズンのスタートとなったが、すばらしい追い上げをみせた前戦ポルトガルGP、そして今大会も初日から好調で、本来の勢いある走りを取り戻した。RC213Vの開発を担当するステファン・ブラドル(Team HRC)がQ2進出を果たし12番グリッドを獲得した。初日11番手につけたブラドルは、FP3で総合3番手に浮上してQ2進出を決めると、大接戦となったQ2では、アタックがうまく決まらず12番グリッドとなった。HRCのテストライダーを務めるブラドルは、昨年、ケガで欠場したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として12戦に出場。今シーズンもカタールの2連戦に出場している。今大会はワイルドカードでの出場だが、レギュラーライダーをしのぐすばらしい走りをみせた。昨年の最終戦ポルトガルGPでは7位でチェッカーを受けているが、今大会はそれ以上を目指す。Repsol Honda Teamで4戦目を迎えるポル・エスパルガロは13番手だった。初日14番手だったポル・エスパルガロは、2日目のFP3では13番手。トップの中上貴晶から1秒差に20台という大接戦の中で惜しくもダイレクトでのQ2進出を逃した。Q1からの予選となったポル・エスパルガロですが、Q1も厳しい大接戦の中で3番手。わずかの差でQ2進出を逃し13番グリッドが確定した。チームメートで復帰2戦目を迎えるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、初日16番手からFP3でQ2進出を目指したが、左高速の7コーナーで転倒し総合12番手。Q1からの予選となり、Q1ではポル・エスパルガロに続いて4番手に終わり14番グリッドが確定した。決勝ではRepsol Honda Teamの2人の追い上げが注目される。今大会は、1995年にRepsol Honda Teamが誕生して1000回目のレースとなる。HRCとRepsolがパートナーシップを結んで今年で27年目のシーズン。これまで21人の選手が参加し、ライダーズタイトル15回、チームタイトル10回、187回のポールポジションを獲得してきた。記念すべき1000回目のレースで、マルク・マルケスとポル・エスパルガロがどんな戦いをみせてくれるのか。大きな注目が集まる。初日20番手と出遅れたアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、20番グリッドから決勝に挑む。大接戦となったFP3でアレックスは14番手までポジションを上げた。しかし、予選では思うようにタイムを更新できず、20番グリッドとなった。昨年の大会(アンダルシアGP)では、21番グリッドからすばらしい追い上げをみせて8位でフィニッシュしている。今年も追い上げのレースが期待される。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「昨日からマシンのフィーリングがよくなり、セットアップも進みました。FP3ではトップタイムをマークして、いい流れで予選に挑みました。今日はフロントローの戦いができると思っていました。1回目のアタックはまずまずでしたが、2回目のアタックではタイムを更新できませんでした。結果は5番手。2列目からのスタートになりますが、いいスタートを切って、トップグループで戦えるように全力を尽くします。今回はモルビデリ(ヤマハ)とクアルタラロ(ヤマハ)がいいペースで走っています。彼らといい戦いができるようにがんばります」ステファン・ブラドル(Honda HRC)「今日は順調でしたが、特にFP3がうまくいきました。プラクティスセッションでどのシャシーを使うかを決めるために多くの時間を割き、FP3では3番手でフィニッシュしました。残念ながらQ2は予定通りに物事が進まず、渋滞に巻き込まれてしまいました。もっと前に近付けたはずですが、ポテンシャルを示すことができたのはよかったです。明日はレースを楽しみ、どんな走りができるか考えたいです。今週末のチームの仕事と、こなしてきた仕事に満足しています」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「FP4で7コーナーで転倒しましたが、幸い無事です。高速コーナーの転倒だったので予選に向けて状況は悪くなってしまいました。FP4はマシンを調整し、すべてが順調でした。自信がつき、マシンもうまく機能していました。少し興奮しすぎて転倒してしまいましたが、Q2まであとわずか0.050秒でした。ideal timeを見たら2番手でしたが、なかなかうまくはいかないものです。レースに向けて引き続き仕事に取り組みます。明日に向けて強さを感じています。この数日、期待していたよりもかなりよくなっています」マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「7コーナーの転倒は、スピードがとても速く、激しいものでした。今シーズン最初の転倒をいつかはするとは思っていましたが、最悪なコーナーで転倒してしまいました。速いタイムでプッシュしているときはリスクのことは考えないものです。昨日は安全なペース、守りの走りをしたので、今日はアタックをしようと思っていました。ハイスピードでエアフェンスにぶつかりましたが、エアフェンスのおかげで僕はここにいます。自分の体のコンディションをチェックするために病院へ行きましたが、すべて問題ありませんでした。この転倒は予選に影響しました。予選では安全を取って、フロントにソフトを選びましたが、これは誤った選択でした。予選セッションを通じて、フロントに限界がありました。今日は強さを感じていました。ようやくマシンのフィーリングを本格的につかみ始めていたところだったので残念です」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「今日はあまりうまくいきませんでした。いいリズムをつかむのに今大会は苦戦しています。すべてを上手にコントロールできず、いいフィーリングもつかめ...
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