2020年のMotoGP最終戦となる第15戦のポルトガルGPが11月22日にポルティマオのアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで開催された。このレースは、ドゥカティの歴史に残る記念すべきイベントとなった。2007年にMotoGPに初参戦して13年目の今年、ドゥカティは最高峰クラスにおいて2度目のコンストラクターズ・ワールドタイトルを獲得した。
今回のレースでは、最終ラップでジャック・ミラー(プラマック・レーシング・チーム)が2位に入ったことにより、ドゥカティは困難なシーズンで合計221ポイントを獲得し、コンストラクターズ・ランキング総合1位となった。今シーズンは、Covid-19(新型コロナウイルス感染症)の緊急事態によって、さらに厳しい状況の中での戦いとなっていた。ドゥカティ・チームのオフィシャル・ライダーであるアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニーロ・ペトルッチ、プラマック・レーシング・チームのライダーであるジャック・ミラーとフランチェスコ・バニャイア、そしてレアーレ・アビンティア・レーシングのヨハン・ザルコの全員が、この大きな目標の達成に貢献した。今シーズン、ドゥカティ・デスモセディチGPマシンを駆る5人のライダーが達成した主な結果としては、8月に開催されたオーストリアGPにおけるドヴィツィオーゾの優勝、ヘレス・サーキットで開催されたスペインGPにおける3位、トリッキーなウェット・コンディションのル・マンで開催されたフランスGPにおけるペトルッチの優勝、ジャック・ミラーの4回の表彰台(オーストリアGP、スティリアGP、バレンシアGP、ポルトガルGP)、ホームグラウンドのミザノ・ワールド・サーキットで開催されたサンマリノGPにおけるバニャイアの2位、ブルノ・サーキットで開催されたチェコGPにおけるザルコの3位などが挙げられる。ドゥカティの成功に加え、今回のレースはドゥカティで8シーズンを過ごしたドヴィツィオーゾにとってデスモセディチGPの赤いマシンに乗る最後のレースとなった。彼は、3年連続(2017年~2019年)でチャンピオンシップ2位を獲得し、ファクトリー・チームで合計14回の優勝、40回の表彰台、6回のポールポジションを獲得した。ポルティマオのサーキットで開催されたMotoGP最終戦で、ドヴィツィオーゾは素晴らしいパフォーマンスを見せて、レースの主役の一人となった。12番グリッドからスタートしたドヴィツィオーゾは、すぐにペースを上げてポジションを挽回、最後まで5番手争いを演じた。ドヴィツィオーゾは6位でフィニッシュラインを通過し、ランキングにとって貴重なポイントを獲得した。これにより、ドヴィツィオーゾは、ライダーズ・ランキング4位でシーズンを終えた。3位のアレックス・リンス(スズキ)とは、わずか4ポイント差であった。ドゥカティ・チームで2シーズン、プラマック・レーシング・チームで4年を過ごしたダニーロ・ペトルッチにとっても、今回のレースは、ドゥカティとともに戦う最後のレースとなった。彼は、昨シーズンにムジェロで開催されたイタリアGPで素晴らしい勝利を収め、今年のフランスGPでも2度目の優勝を果たし、ドゥカティ・デスモセディチGPとともに感動に満ちた6シーズンを過ごした。18番グリッドからスタートしたペトルッチは、厳しい展開となったレースを16位でフィニッシュした。合計78ポイントを獲得したペトルッチは、2020年シーズンのライダーズ・ランキングを12位で締めくくった。チーム・ランキングでは、合計213ポイントを獲得したドゥカティ・チームは、4位でシーズンを終了した。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム #04) 6位「今日は12番グリッドからのスタートだったので簡単なレースではなかったが、大きくポジションを巻き返して、チャンピオンシップで直接ランキング争いをしている何人かのライバルの前でフィニッシュできた。ランキング4位を獲得することが、僕たちの目標だった。今日は、ドゥカティとの最後のレースだった。過去4年間で、僕たちは特別な結果を残すことができた。ドゥカティの活躍をファンの人たちが喜んでいる姿を見て、これ程ワクワクするとは自分でも考えていなかった。これこそがスポーツの醍醐味であり、それを体験することができて嬉しかった!8年に及ぶシーズンを通して、チーム内には素晴らしい関係が築かれていたので、チームを離れるのはとても寂しい!」ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム #09) 16位「ドゥカティとの冒険を、もっと良い結果で終わらせたかったが、残念ながら今日は厳しいレースになってしまった。ドゥカティで働くすべての人々に、特にチームのスタッフに感謝したい。デスモセディチGPマシンで戦ったこの6年間で、いくつかの成功を収め、なによりMotoGPで2勝を挙げることができた!この6年間、ドゥカティの一員になれたことを嬉しく思っている」クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO)「コンストラクターズ・ワールドタイトルという素晴らしい結果を手にすることができた。特に今シーズンは、これまで体験したことがない困難な状況を克服しなければならない、非常に難しい1年となった。いつもとは違う不思議なシーズンであったが、エンジニアとすべてのドゥカティ・ライダーが一致協力して、チャンピオンシップのすべてのサーキットでデスモセディチGPマシンの戦闘力を高め、2勝を含む8回の表彰台を獲得することができた。MotoGPの歴史で2度目のコンストラクターズ・ワールドタイトルの獲得に貢献してくれた、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ダニーロ・ペトルッチ、ジャック・ミラー、ペッコ(フランチェスコ)・バニャイア、ヨハン・ザルコに感謝したい。そして、大きな情熱、献身的な作業、そして断固たる決意を持って、このように重要な結果を達成できることを再び示してくれた、ドゥカティコルセ部門のすべてのスタッフにも感謝したい。アンドレアとダニーロの今後の活躍を祈っている。私たちは、彼らと何年も一緒に戦い、素晴らしい瞬間を共に過ごしてきた。そのすべてに感謝したい」ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)「コンストラクターズ・ワールドタイトルを獲得することは、ドゥカティにとって重要な目標だ。これは、最新のデスモセディチGPマシンに搭載されている革新的なテクノロジーの素晴らしさを証明するものでもあるからだ。特に今シーズンは、新しいリア・タイヤが導入された後に、タイヤの挙動を理解するた...