Monster Energy Yamaha MotoGPの二人を危うく巻き込むところだったアクシデントがあったが、バレンティーノ・ロッシは5位を獲得。一方のマーベリック・ビニャーレスは、赤旗中断後の再スタート序盤でマシンにトラブルがあり20番手まで後退するも10位まで順位を上げてチェッカーを受けた。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリは、いずれも悔しい結果。アクシデントに巻き込まれて戦線を離脱したモルビデリはメディカルセンターへ運ばれ、クアルタラロはブレーキにトラブルがあり8位に終...
波瀾のレースでロッシとビニャーレスは5位と10位獲得Monster Energy Yamaha MotoGPのロッシとビニャーレスは、持ち前の強い決意とともに困難から復活する底力を見せつけた。ふたりは、激しく転倒して宙に舞い上がった2台のマシンに危うく激突されるところを、ほんのわずかの差で逃れることができた。このアクシデントによりレースは一時中断。間もなく再開された2度目のレースではすぐに気持ちを切り替え、ロッシが5位、ビニャーレスは10台を抜いて10位を獲得した。最初のレースでビニャーレスは、ポールポジションから好スタートを切って2番手で第1コーナーへ。序盤の激しい競り合いのなかで5番手に後退したあともトップグループに加わり、その後ろには12番グリッドから挽回したロッシが続いた。そこにアクシデントが発生。9ラップ目、J・ザルコ(ドゥカティ)とフランコ・モルビデリが激しく転倒し、2台のマシンが第3コーナーでロッシとビニャーレスに襲い掛かる。ふたりは幸運にも激突を免れ、このあとレースは中断となった。幸い全員が大きなダメージを受けておらず、コース清掃が終わる現地時間14時28分に再びピットレーンを開放することが決定した。ライダーたちはそこからわずか60秒で位置につかなければならず、ロッシとビニャーレスもこの短時間で気持ちを切り替えて2度目のレースに臨む。グリッドは8ラップ終了後の順位、周回数は20ラップと決まった。ロッシはアクシデントのあと当然のように動揺したが、すぐさま立て直していた。わずか15分後に再びマシンに跨り、持ち前のメンタルの強さを見せつけた。グリッド7番手から好スタートを切り、B・ビンダー(KTM)とバトルするもなかなか仕掛けられない。その後、前方での転倒もあり5位に上がると、さらにビンダーを追い詰めたが、パスすることはできず5位でチェッカーとなった。トップとの差は5.837秒。一方のビニャーレスは、再スタート後にマシンに問題が出て序盤で20位へ後退。しかしそこから懸命の挽回を図り、ようやくリズムを取り戻すとペースを上げて最後から2ラップ目にベストタイムを記録。そのなかで着実に順位を挽回し、トップから15.276秒差の10位でゴールした。この結果、ビニャーレスはトップから19ポイント差のランキング3位。ロッシは29ポイント差の5位となっている。ヤマハはコンストラクターズランキング1位、Monster Energy Yamaha MotoGPはチームランキング2位をそれぞれキープしている。クアルタラロは8位、モルビデリは不運な転倒も怪我はなしクアルタラロはスタートでやや出遅れて、集団に飲み込まれながら第1コーナーへ。ブレーキに問題を抱えていたことから第4コーナーでは深く突っ込み過ぎてコースアウトし、最後尾まで順位を下げてしまう。そのあとすぐに赤旗が提示されて中断となったため、第2レースを最後尾からスタートすることとなってしまった。スタート直後に16番手まで上げ、ブレーキの問題はまだ続いていたにもかかわらず、ここからさらに1台また1台とパスして8位でチェッカー。ランキングトップをキープした。チームメイトのモルビデリは好スタートからリズムをつかみ、順調に前方のライダーを追っていた。ところが第3コーナーでJ・ザルコ(ドゥカティ)とともにアクシデントに巻き込まれ、右手、肩、頭に衝撃を受けてメディカルセンターへ運ばれた。CT検査の結果、幸い深刻なダメージはなく、その後ピットに戻って無事を報告している。来週、同サーキットで開催される第5戦には出場する予定。Monster Energy Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(5位)「とても怖かったですね。4人とも、とくに私とビニャーレス選手は、本当に幸運でした。非常に危険な場面だったので、それを免れた私たちは、今夜、誰かに祈らなければならないでしょう。誰もが全力で戦っているのですから、アグレッシブになることは良いことに違いありませんが、このスポーツはもともと非常に危険なものなのです。私たちはそのことを忘れてはいけません。とくに時速300kmで戦う時はライバルたちに敬意を払う必要があります。私はすでにザルコ選手と話をしましたが、決して故意ではなかったと約束してくれました。彼はブレーキングでかなりワイドにはらんでしまいました。時速300kmで走っていればスリップストリームが効くので、モルビデリ選手が速度を落とすことは不可能だったのです。私はビニャーレス選手と一緒に第3コーナーに入っていて、何かが私に向かってくることに気づきました。ヘリコプターの影かと思いましたが、実際それはよくあることなので、ところがモルビデリ選手のマシンが驚くほどのスピードで私を追い越していき、さらにザルコ選手のマシンもモルビデリ選手を飛び越えていきました。私たちは非常にラッキーだったわけですが、このような事故が将来、ライダーの振る舞いを正していくための教訓になってくれることを望みます。モルビデリ選手とも話をしました。彼は大丈夫。今は考えないようにしていますが、考えてしまったら彼も怖くてたまらないでしょう。今回は結果的に誰も怪我をせず、全員が無事でした。しかし、もしも良くないことが起きていたとしたら、状況はまったく違うものになっていたのです。正直なところ、再スタートは簡単ではありませんでしたが、再スタートし、いいレースができました。私たちにとって、ヤマハにとってここは楽な場所ではありません。トップスピードでライバルたちに挑んでいくことが難しく、苦戦させられるのですが、そのなかでもペースは良かったと思います。第9コーナーでビンダーに激しく仕掛けられてコースを外れてしまい、この間にトップから大きく離されてしまったのは残念。でもそのあともリズムよく走り、5位でチェッカーを受けることができました。もっと頑張れたかもしれませんが、いいレースだったと思っています」マーベリック・ビニャーレス(10位)「私たちは非常にラッキーでした。このことがとても重要です。このようなアクシデントはレースのなかでは起こりうることで、常にリスクがあるのです。そしてこの第3コーナーは、私たちが...
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