2025年F1モナコGPは、マクラーレンのランド・ノリスがキャリア初のモンテカルロ制覇を果たし、歴史に残る週末となった。ポールポジションからスタートしたノリスは、2度のピットストップ義務という新ルールの下でも冷静なタイヤマネジメントと的確なレース運びを見せ、後方から迫るシャルル・ルクレールのプレッシャーを最後まで抑えきった。
レース後のインタビューでノリスは「子どもの頃の夢が叶った」と語り、その喜びを噛み締めた。一方、2位のルクレールは「予選で負けていた」と悔しさをにじませつつも、フェラーリにとって収穫のある週末だったと振り返る。3位にはチームメイトのオスカー・ピアストリが入り、マクラーレンは2台揃って表彰台を獲得する会心の結果を収めた。トラックインタビュー(インタビュアー:ジェンソン・バトン)Q:オスカー、モナコには勝つために来たと思うけど、今回は表彰台。満足できる結果では?オスカー・ピアストリ:そうだね、もちろん勝てたらもっと良かったけど、今週末はちょっと難しかった。プラクティスは全体的にバタバタしていて、予選に向けてあまり自信を持ててなかったんだ。いいところまでは行けたけど、あと一歩足りなかった。モナコでは予選位置がほぼそのまま決勝結果になるから、全体としては満足してる。またモナコでの表彰台だし、ポイントも取れた。悪くない週末だったと思う。Q:プラクティスではサン・デボーテでクラッシュもあったけど、そこから表彰台まで戻った。チームとしても素晴らしい働きだったね。しかも、これが「悪い週末」だとしたら、相当うまくいってるよね。ピアストリ:まさにその通り。ほんのわずかな差が大きな違いになる。これが「悪い週末」だとしたら、そこまで悪くないね。まだ改善すべき点もあるけど、来週また頑張るつもり。ランドにもおめでとうと言いたい。素晴らしい週末だったね。シャルルもいつも通り速かったし。嬉しいし、また表彰台で会おう。Q:おめでとう。しかも今もチャンピオンシップのリーダーだね。ピアストリ:ありがとう、よろしく。Q:シャルル、ホームレースお疲れさま。去年はここで勝利を祝ったけど、今回は惜しくも2位。レース前の車の仕上がりを考えると、ある程度満足してる?シャルル・ルクレール:いや、正直言ってあまり満足はしていない。結局、昨日の予選でレースを失ったと思っているし、もっと良い仕事ができたはず。でもランドの方が素晴らしい仕事をしていて、彼が勝つにふさわしい週末だった。個人的には、去年子どもの頃の夢を叶えられたけど、今年はそうはいかなかった。ただ、事前の予想よりははるかに良かったと思う。トップ10に入るのも難しいかと思っていたけど、最終的に2位でフィニッシュできたのは良い結果だね。Q:2ストップ戦略で前が詰まる展開もあって、最後の数周はかなりプレッシャーをかけていたように見えた。車の中ではどうだった?ルクレール:そうだね、最初はちょっと退屈だったよ。ランドに近づきすぎるとタイヤやブレーキがオーバーヒートしてしまうから、あえて距離を空けてたんだ。その後、マックスが“待機作戦”に出てるのが分かって、赤旗を狙ってるのかなと。それでランドにもっとプレッシャーをかけられたけど、結局は十分じゃなかった。Q:最後にモナコのファンにメッセージを。ルクレール:いつも言ってるけど、フェラーリのドライバーとして世界中で応援してもらえて本当に幸運だと思ってる。でもここで生まれて、モナコの皆さんが応援してくれるのは特別だね。モナコ人の数は多くないけど、みんなの声援は心に響いているよ。今日は優勝を届けられなかったけど、来年こそはと願っている。Q:ランド・ノリス、F1モナコGP初優勝おめでとう!どんな気分?ランド・ノリス:最高だね。モナコは長くて、流れるようなレースだけど楽しかった。かなりの時間プッシュできたし、最後の方はシャルルがすぐ後ろにいて、前にはマックスがいたからちょっと緊張もあったけど、モナコで勝てた。それが全てだね。ポールからの勝利だし、これが子どもの頃に夢見てたことなんだ。グリッドで君(バトン)を見かけて「ジェンソンがいるなら、今日はラッキーだ」と思ってたよ。Q:「Monaco baby!」って叫んでたけど、それ僕のセリフだよ(笑)ノリス:あ、そうだった?ごめん(笑)Q:でもモナコでは土曜日の予選がカギだってよく言われるよね。素晴らしいポールだったけど、日曜も走り切らないといけない。スタートもよかったし、あのプレッシャーの中で戦うのは相当大変だったんじゃない?ノリス:そうだね、一番大変だったのは終盤だと思う。レース全体としてはコントロールできてたけど、マックスが前にいてペースを落としてきたとき、シャルルがチャンスを狙える状況になった。だからうまくマネジメントする必要があった。マックスとの距離を保って、自分がプッシュすべき時に備える。そんな感じで戦略的に動いたレースだった。チームもすごく喜んでるし、今夜は素晴らしい夜になるよ。記者会見Q:ランド、おめでとうございます。あなたはモナコGPを制しました。この特別な表彰台からの景色はどうでしたか?ランド・ノリス:見えたのはカメラのレンズばっかりだったよ(笑)。でも大事なのは気持ちの方なんだ。下を見ればチームのみんなや両親の姿があって、本当に特別だった。子どもの頃からの夢が今日、現実になったんだ。F1にたどり着くこと、F1で勝つこと、そしてモナコで勝つこと。その3つの夢を今日叶えられた。自分自身にもチームにも誇りを感じている。マクラーレンにとっても、2008年以来の勝利だから、本当に大きな成果だよ。Q:ポールからの勝利で、理想的な週末に見えました。レース中に何かトラブルはありましたか?ノリス:大きなトラブルはなかったけど、緊張する瞬間は確かにあった。特に終盤、シャルルが後ろにいて、マックスが前でペースをコントロールしてた時。マックスに近づきすぎると、シャルルにとってチャンスが生まれる。だからその間合いを保つのが難しかった。ストラテジーも上手くいったと思うし、結果は完璧だった。集団の中を通過する時にミスしないようにするのが一番神経を使ったよ。でもタイヤマネジメントも含めて、うまくやれたと思う。Q:今回の週末は、これからに向けてどれくらい自信を与えてくれた?ノリス:昨日の予選のほうが、自分にとっては自信につながった。日曜のレースは今シーズンずっと自信を持って臨めていたけど、予選は...