F1マイアミGPの金曜日、キミ・アントネッリがマイアミ・グランプリのスプリント予選で驚きのポールポジションを獲得し、マクラーレン勢を僅差で抑えるという見事なラップを披露した。スプリント週末らしく、フリー走行は1回のみだったため、今後数日間の展開を予測するのは難しいが、サンシャイン・ステートでの戦力図が徐々に見え始めている。
アントネッリが主役に メルセデスがマクラーレンに大きな脅威アントネッリは、自身にとってもF1史上においても「史上最年少ポールシッター」となり、「夢のような気分」と語った。プレッシャーのかかる最終アタックで完璧な走りを見せる一方、ライバルのオスカー・ピアストリがロックアップしてしまったことで、スプリントのスタートポジション最上位を奪った。ちなみに、アントネッリは前回のスプリントでポールを獲得したルイス・ハミルトンの22歳年下であり、今回そのハミルトンに代わってメルセデスのシートに座っている。この日、シルバーアローは終日速さを見せており、直線速度ではライバル勢に対して約0.1秒のアドバンテージがある。アントネッリがスタートで先行できれば、その直線スピードで追いすがるマクラーレン勢を抑えきる可能性もある(F1.comのデータでは、ロングランペースはマクラーレンとほぼ互角と見られる)。もちろん簡単ではないが、ハミルトンが中国でポールからスプリント勝利を挙げたように、「先頭+クリアエア」がいかに重要かは証明されている。アントネッリもその再現を狙っている。マクラーレンは依然として強力な存在今季、マクラーレンはシーズン序盤から支配的な力を見せており、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが5戦中4勝を挙げている。マイアミでの唯一のフリー走行では、ピアストリがトップタイムを記録して好調を示した(ノリスを含む数名のドライバーは、オリバー・ベアマンのクラッシュによる赤旗の影響でソフトタイヤでの予選シミュレーションを完了できなかったため、タイムシートはやや実態を反映していない)。ピアストリはスプリント予選でポールを狙える位置にいたが、最終コーナーで小さなロックアップを喫し、僅差で2番手に。ノリスも近年で最もクリーンな予選を見せ、3番手に続いた。マクラーレンはコーナーでメルセデスに対して優位だが、直線で遅れを取っており、総合的にはやや劣勢にある。それでも、どちらかのドライバーが好スタートを切れば、首位に浮上する可能性は十分あり、そうなれば勝利のペースを持っていると見られている。レッドブル、浮き沈みの中で戦列に加わるマックス・フェルスタッペンは、木曜のメディア対応を欠席して新生児の娘リリーと過ごした後、金曜にマイアミ・パドック入り。レッドブルが持ち込んだ新しいフロアをテストしつつ、本格始動した。しかし、マイアミの低速コーナー群はレッドブルにとって苦手領域であり、フェルスタッペンは「かなりのグリップ不足」に苦しんだと述べた。それでもP4を獲得したのは上々の結果であり、ソフトタイヤで2回のアタックができたことも好材料となった。一方のチームメイト角田裕毅は運に見放された。スプリント予選のQ1では、ピットレーンから出てきたマシンと遭遇して1回目のアタックを中断。さらに、誤ったタイミングの指示で2回目のアタックに間に合わず、タイムを出せないまま終えた。それでも、レースペースに関してはマクラーレンやメルセデスに対して約0.1秒の差にとどまっており、スプリントで大きく巻き返すのは難しいかもしれないが、土曜の予選で良い位置を取れれば、日曜の決勝で挽回する可能性は残されている。フェラーリ、決定力に欠けるスプリント予選後、シャルル・ルクレールは「これが我々の現状のベースラインのようだ」と語り、6番手という結果について「改善の余地はあまりなかった」と諦め気味だった。チームメイトのルイス・ハミルトンも満足してはいないものの、「理想にはまだ届いていないが、SQ1ではマシンがより一体感を持って感じられた」と前向きな兆しを口にしていた。データによれば、フェラーリは中速コーナーでは2番手のパフォーマンスを示していたが、低速および直線では0.2秒ほど劣っており、総合的には4番手の位置。サウジアラビアでの好調を引き継ぐウィリアムズに対しても、0.2秒強のアドバンテージしかなかった。スプリントで順位を大きく上げるのは難しいが、各チームともにこのセッションを通じて決勝レースに向けたデータ収集を行い、予選と本戦に向けてマシンを最適化するチャンスとするだろう。
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