メルセデスF1は、2026年シーズン序盤の好調から一転して深刻化する信頼性問題への対応として、モンツァで開催されるイタリアGPに向けて改良版ADUOパワーユニットを投入する準備を進めていると報じられている。当初はADUOの開発を打ち切り、2027年マシンへ資源を集中させる方針だったとされるが、相次ぐトラブルとライバル勢の開発継続を受けて戦略を見直したようだ。
燃焼室やターボを改良した新仕様を準備報道によると、新しいADUOパワーユニットには燃焼室やターボチャージャーに加え、パートナーであるペトロナス製燃料にも改良が施される見込みだ。FIAの評価では、レッドブル・フォードが現時点で最も優れた内燃エンジン性能を持つとされる一方、ADUOの合法性や運用方法については依然として議論が続いている。マックス・フェルスタッペンも、レッドブル・レーシングがFIAとの協議を継続していることを明かした。「エンジンの話が出たけど、僕たちにもADUOが欲しいよ。何とかしてね。でも、それがどうなるかは分からない」「夏休みの後に、もう一度状況を見ていく」また、フェラーリもモンツァでADUOアップグレードと低ダウンフォース仕様のリアウイングを投入するとみられている。予算制限も開発判断に影響Sky Deutschlandの解説者で元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、メルセデスはこれ以上アップグレードを先送りできないと指摘した。「アップグレードの話になると、トト・ウォルフの発言が興味深かった」「彼はすぐに予算上限について考えなければならないと言っていた」「7月や8月の段階で本当に資金が厳しいとは信じ難いが、そういう状況なのだろう」「ウォルフはフェラーリについても『なぜあれほど開発を続けられるのか理解できない』と話していた。メルセデスは早急にアップグレードを投入する必要がある」アントネッリはモンツァでPU交換ペナルティの可能性一方で、信頼性の問題は依然として深刻だ。ランキング首位のキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルは、すでに年間使用上限となる4基目のパワーユニットを使用している。ラッセルはハンガリーGP予選後に冷却水漏れが見つかり、パワーユニットを交換。トト・ウォルフ代表は損傷したユニットについて「かなり深刻なダメージを受けており、再使用できない可能性がある」と説明した。メルセデスはこれまで使用したユニットを再利用することでペナルティ回避を目指しているものの、ウォルフ代表はモンツァが追加パワーユニット投入の適切なタイミングになる可能性を認めている。「キミにとって特別なレースが1つあるが、エンジン交換ペナルティを受けるには良い場所かもしれない」「マルコ(アントネッリの父)と話をして、モンツァでペナルティを受けるべきか相談する必要がある。最後尾スタートなら、かえって彼のプレッシャーを軽くできるかもしれない」ウォルフ代表は冗談交じりにそう語った一方で、チームの現状については厳しく総括した。「事実として、我々の信頼性は単純に十分ではなかった。ペナルティを受け入れるかどうかは、これから判断することになる」