2026年F1ベルギーGPで、メルセデスは明暗が分かれる結果となった。キミ・アントネッリが今季6勝目を挙げてドライバーズランキング首位をさらに固めた一方、ジョージ・ラッセルはオープニングラップの接触事故でリタイアを喫した。チーム代表のトト・ヴォルフは、アントネッリの成熟した走りを称賛する一方で、スタート時に全メルセデスPUで発生したパワーデプロイメントの問題を認めた。
また、ラッセルが週末を通じて訴えていた最高速不足についても改善を進めていると説明し、「最善を尽くしても、それが十分ではない時もある」と率直な心境を語った。アントネッリの勝利を称賛 「勝利に値する走りだった」アントネッリは44周で争われたベルギーGPで、終盤にシャルル・ルクレールを攻略して優勝。バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングでフェラーリに先行を許したものの、残り10周で逆転し、今季6勝目を手にした。ヴォルフは、アントネッリの週末を通したパフォーマンスを高く評価した。「もちろんキミの優勝は本当にうれしい。彼は週末を通して非常に力強かった」「シルバーストンでも勝てるだけのレースをしていたのにリタイアしてしまった。だから今回の勝利は間違いなく彼にふさわしいものだ」さらに、VSCで一時は不利な状況となったレース展開にも言及した。「こちらも十分なペースがあると考えていたが、またしてもVSCが流れを変え、シャルルが前に出た。それでも彼は非常に成熟した走りを見せ、毎周コンマ1秒ずつ差を削り取っていった。本当に素晴らしいレースだった」スタート時のPUトラブルを認める一方で、3番グリッドからスタートしたラッセルは、スタート直後に十分な電力を展開できず、ラ・ソースからオー・ルージュにかけて複数台に先行を許した。その後、レ・コームでルイス・ハミルトンと接触し、そのままリタイアとなった。ヴォルフは、スタート時に全メルセデスPU搭載車で同様の問題が発生していたことを明かした。「スタート時、すべてのメルセデス製パワーユニットで、本来発揮すべきパワーを展開できない問題があった。これは我々が解決しなければならない課題だ」ラッセルは週末を通じてアントネッリと比較して直線スピード不足も訴えていたが、ヴォルフはその点についても対応を進めていると説明した。「その問題は解決できたことを願っている。ただ、レースでは直線スピードに差が生じることもある」「最善を尽くしても十分ではない時もある」ラッセルのリタイアにより、ドライバーズランキングではアントネッリとの差が50ポイントに広がった。それでもヴォルフは、チーム全体が改善に向けて努力を続けていることを強調した。「我々は常にベストを尽くそうとしている。しかし、時にはそのベストでも十分ではないことがある。もちろん十分な時もある」「それでもひとつ確かなのは、チーム全員がこれまで以上に努力を重ねているということだ」ベルギーGPでは勝利という成果と技術的課題が同時に浮き彫りとなったメルセデス。次戦ハンガリーGPでは、スタート時のPU制御やマシン間のパフォーマンス差の改善が重要なテーマとなりそうだ。