オーストリアGP決勝でマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルが優勝を争うなか、メルセデスがピットレーンで巧妙な駆け引きを仕掛けていた可能性が浮上した。F1TVの解説を務めた元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、実況席から見えたメルセデスの動きについて「意図的だった」との見方を示し、フェルスタッペンのピットストップにわずかな影響を与えたと指摘している。
クルサードが目撃したメルセデスの駆け引きレッドブルは50周目にフェルスタッペンを2回目のピットストップへ投入し、新しいタイヤでジョージ・ラッセルを追いかける戦略を選択した。その直前、3番手を走るアンドレア・キミ・アントネッリも同時にピットへ向かうように見えたため、メルセデスのクルーは作業位置に並んでいた。しかし実際にはアントネッリはステイアウトし、フェルスタッペンだけがピットへ入った。クルサードは、この際にメルセデスのクルーがフェルスタッペンの進入ラインを狭くする位置に残っていたと説明した。「ピットレーンで興味深いことを見た。通常、隣のガレージがピットインしない場合は、礼儀としてエアライン(ホース類)を引き下げ、クルーもスペースを空けるものだ」「だがメルセデスはクルーをピットボックスへ送り出した。アントネッリは結局ピットインしなかったが、フェルスタッペンはメルセデスのクルーを避けるように回り込んで自分たちのボックスへ入らなければならなかった」「完全にルールの範囲内だ。ただ、ほんのわずかだが遅くなった」パーマーも「タイムロスはあった」と分析同じくF1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーも、フェルスタッペンが通常より大きく旋回する必要があったと分析した。「メルセデスのクルーを避けるために余計なコーナリングを強いられ、わずかなタイムロスが生じた。もちろん彼らにはそこに立つ権利がある」さらにパーマーは、もしレッドブルがフェルスタッペンをピットへ入れなければ、メルセデスはアントネッリをピットへ呼び込んでいた可能性が高いとの見解も示している。勝敗を左右したのは予選と戦略フェルスタッペンはラッセルより遅らせて2回目のピットストップを行い、タイヤの優位性を築いて終盤に猛追した。しかしチェッカー時点で差は1.6秒までしか縮められず、逆転には届かなかった。今回のオーストリアGPでは、レッドブルが投入した軽量化を中心とするアップグレードの効果が確認され、決勝ペースではフェルスタッペンが優勝に最も近い速さを見せていたとの評価もある。一方で、予選でのクラッシュによる不利なスタート位置や物議を醸したラッセルのポールポジション、そして決勝での戦略やピットレーンでの細かな駆け引きが重なり、今季初の2位に終わった形となった。