2026年F1第8戦オーストリアGP予選で、ジョージ・ラッセルが黄旗区間を通過しながらポールポジションを獲得した場面について、新たなメルセデスのチーム無線が公開された。Q3終盤、マックス・フェルスタッペンがターン9でクラッシュした直後、キミ・アントネッリはアタックを中止した一方で、ラッセルはタイムを更新して逆転ポールを獲得。この判断を巡り、アントネッリはレースエンジニアのピーター・“ボノ”・ボニントンに無線で疑問を投げかけていた。
アントネッリ「ダブルイエローだったはず」予選Q3ではフェラーリ勢やフェルスタッペン、メルセデス勢が入り乱れる激しいポール争いが展開されていた。ルイス・ハミルトンが暫定ポールを記録した直後、シャルル・ルクレールがさらに上回り、その後フェルスタッペン、アントネッリ、ラッセルが最終アタックへ入った。しかしフェルスタッペンはターン9でRB22のリヤを失いクラッシュ。これにより黄旗が提示され、アントネッリはアタックを中止して4番手にとどまった。一方、ラッセルは1分06秒113を記録し、ルクレールを約0.2秒上回ってポールポジションを獲得した。セッション後、アントネッリは無線で状況を確認した。「ジョージはどうしてタイムを更新できたんだ?」これに対し、ボニントンは次のように説明した。「黄旗区間ではリフトしたようだ」しかしアントネッリは納得せず、「でもダブルイエローだったよ」と返答。ボニントンも、「そこは確認する必要がある」と答えており、メルセデス陣営内でも状況を把握しきれていなかったことが明らかになった。さらにフェルスタッペンのクラッシュ直後には、ボニントンから「イエロー、イエロー」との無線が飛び、アントネッリは悔しさをあらわにした。「くそっ! あのラップだったんだ! あのラップだったんだよ!」ラッセル「大きくアクセルを戻した」一方、ラッセルもチェッカー後の無線で、自身が黄旗区間で減速していたことを強調した。「そのコーナー進入ではアクセルを戻した。かなりタイムを失ったけど、ちゃんとリフトした」「進入で大きくアクセルを戻したから、コンマ1秒以上は失った」予選後、このラップはFIAスチュワードによる審議対象となったが、映像やマーシャリングシステムの確認の結果、ラッセルが通過した時点ではシングルイエローが提示されていたと判断。減速義務を満たしていたことからポールポジションは正式に認められた。一方のアントネッリは、自身にはダブルイエローが表示されていたとの認識を示し、フェルスタッペンの事故では全車がアタックを中止すべき状況だったとの考えを示している。今回公開された追加のチーム無線によって、ラッセルが黄旗下で減速したと認識していた一方、アントネッリはダブルイエローが提示されたと受け止めていたことが明らかになり、予選終盤の混乱ぶりが改めて浮き彫りとなった。FIAは最終的にシングルイエロー区間で適切に減速したと判断し、ラッセルのポールポジションを正式に確定させている。【関連】・F1オーストリアGP予選:ラッセル逆転ポール フェルスタッペンのクラッシュで波乱