メルセデスF1は、長年チームに在籍してきたブラッドリー・ロードを副チーム代表に昇格させた。これまで最高広報責任者を務めていたロードは、近年ますます表舞台に立つ機会が増えており、トト・ヴォルフが現場を離れている際には、スカイ・スポーツでチーム代表として対応したり、メディアの取材に応じたりしてきた。ガレージでは、ヴォルフの隣でオン・トラックの状況を見守る姿もたびたび見られており、今回の人事は、すでに実務上進んでいた役割分担を正式に反映したものとなる。メルセデスはこれを、拡大を続けるF1とチーム運営に...
ヴォルフを支える新たな副チーム代表トト・ヴォルフは、今回の人事について次のように説明した。「我々のチームとF1の成長に伴い、我々のオペレーションの範囲と、それに伴う上級レベルでの責任は大きく拡大してきた」「したがって我々は、この機会に、実際にはしばらく前から現場で機能していた変化を正式な形にすることにした」「私の役割と全体的な責任は1ミリたりとも変わらないが、副チーム代表としてのブラッドリーの仕事は、我々のリーダーシップグループの能力をさらに高め、チーム代表兼CEOとしての私を引き続き支えてくれることになる」「ブラッドリーは我々の組織に長く在籍し、献身的に尽くしてきたメンバーであり、このチームが現代F1で最も成功したチームになるうえで重要な役割を果たしてきた。このように組織体制を整えることで、我々のリーダーシップグループはそれぞれが最も大きな価値を加えられる分野に完全に集中でき、急速に成長するこのスポーツの要求に最適化された体制になる」ベネトン時代から続くロードのキャリアブラッドリー・ロードは、2001年にベネトンのプレスオフィサーとしてF1パドックでのキャリアをスタートさせた。2008年には一時的にメディア側へ移り、『F1レーシング』の特集編集者を務めたが、2010年にルノーでコミュニケーション職として現場に復帰した。その後、2011年にメルセデスへ加わり、現在に至るまでチームの広報と対外対応を担ってきた。近年は単なる広報責任者にとどまらず、トラックサイドでも存在感を高めており、今回の副チーム代表就任はその延長線上にある人事といえる。後継体制をにらむ布石との見方もヴォルフはこれまでも後継者計画の重要性をたびたび口にしてきた。今回の人事について、チーム側はあくまで「継続的な成長の中で組織を強化するためのもの」であり、後継計画そのものではないと説明している。ただ一方で、この昇格が将来的にヴォルフがチーム指揮から退く局面を見据えた布石になる可能性を感じさせるのも事実だ。少なくとも、メルセデスF1がトップマネジメントの層を厚くし、将来を見据えた体制整備を進めていることは明らかだ。
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