メルセデスF1のCEO兼チーム代表であるトト・ヴォルフは、新シーズン開幕を前に持ち上がっているパワーユニットを巡る疑惑について、ライバルチームに対して強い不満を示した。2026年F1レギュレーションでは、パワーユニットの変更点の一つとして、圧縮比が従来の18:1から16:1へと引き下げられている。圧縮比とはシリンダー内の最大容積と最小容積の比率を指すが、これはピットレーンで車両が常温状態にあるときにのみ測定可能とされている。
新シーズンに向けた準備が進むなか、メルセデスが走行中により高いレベルでパワーユニットを作動させる方法を見つけたのではないか、という報道がなされた。これが事実であれば、ラップタイムに大きなアドバンテージをもたらす可能性があると見られている。この懸念を巡って複数の会合が開かれてきたが、ヴォルフは、メルセデスのパワーユニットが合法であるという保証をFIAから得ていると強調した。「なぜ一部のチームが、これほどまでに他チームのことばかりに集中し、非常に明確で透明な案件について議論を続けるのか、私には理解できない」とヴォルフは、RacingNews365を含むメディアに語った。「FIAとのコミュニケーションは、これまで一貫して非常にポジティブだった。これは圧縮比だけの話ではなく、他の要素についても同様だ」「特にこの分野に関しては、レギュレーションに何が書かれているかは非常に明確だし、すべてのエンジン、あるいはF1以外でも適用される標準的な手順が何であるかも、はっきりしている」メルセデスは先週行われたバルセロナでのシェイクダウンで、3日間合計500周を走行し、全チーム中最多の周回数を記録した。こうした好調な滑り出しを受け、同チームは早くも今季の有力候補と目されており、来週にはバーレーンでのプレシーズンテストに臨む予定だ。ヴォルフは、ライバルのパワーユニットメーカーに対し、メルセデスの取り組みを崩そうとするのではなく、自分たちのプロジェクトに集中すべきだと訴えた。「だから、ちゃんとやれ」とヴォルフは言い放った。「彼らは秘密裏に会合を開いたり、秘密の書簡を送ったりして、存在もしないテスト方法をでっち上げようとしているだけだ」「少なくとも我々としては、雑音を最小限に抑えることを心がけている。雑音を減らすというのは、他人のことよりも自分たちを見るということだ。レギュレーションに何が書かれているかも、FIAが我々に何を伝えてきたかも、非常に明確なのだから」「我々は皆それぞれ違う。もしかすると、うまくいっていないときに、始まる前から言い訳を探したい人もいるのかもしれない」「誰もが自分たちの能力を最大限に発揮する必要がある。ただし、少なくとも我々はそういうやり方はしない。特に、もう十分に『問題ない』と言われている状況であればなおさらだ」「もし誰かが、気を紛らわせるためにこうしたことをしたいのなら、それはそれで自由だ」「パワーユニットは合法」 ヴォルフが改めて強調シーズン開幕が近づくにつれ、メルセデスのパワーユニットの本当の競争力は、勢力図が固まるなかで明らかになっていくことになる。ドイツメーカーが有力視されるなか、ヴォルフはその合法性について一片の疑いもないと断言した。「パワーユニットは合法だ」と、RacingNews365からの質問に対してヴォルフは答えた。「パワーユニットは、レギュレーションが書かれているとおりのものだ」「パワーユニットは、実施されているチェックの方法に合致しているし、こうした事柄が他のあらゆる車両でどのように測定されているかとも一致している。それ以外のことについて、私が判断する立場にはない」「それが、現時点で我々が見ている世界であり、FIAが言っていることでもある。それはFIA会長も言っていることで、彼はこの分野について多少なりとも理解している人物だ」「そういう意味では、あとは様子を見るだけだ。我々は非常に盤石だと感じている」
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