メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、2018年のFIA年間表彰式で元F1王者キミ・ライコネンを平手打ちしていたことを公の場で明かし、話題を呼んでいる。その年の表彰式でライコネンは酔った様子で登壇し、観客の笑いを誘っていたが、舞台裏では不穏な出来事が起きていたようだ。F2王者としてその年のFIA表彰式に招かれていた若きジョージ・ラッセルに対し、ライコネンが侮辱的な発言をしたという。
この一件について、2025年F1イギリスGPの会場シルバーストンでオーストリア放送協会(ORF)のインタビューを受けていたヴォルフが、ジョージ・ラッセル本人を前にしながらこう語った。「この話をしてもいいかな?」とヴォルフがラッセルに尋ねると、ラッセルは笑いながら「構わないよ、僕には関係ない」と返答。するとヴォルフはドイツ語でこう続けた。「私はちょっと厳しい環境で育ったから、自己防衛の手段を自然と覚えた。時にはそれが“物理的”な手段になることもあった」「2018年のFIA表彰式で、あるF1ドライバーがF2チャンピオンのジョージに対して侮辱的なことを言ったんだ。だから私はそいつを平手打ちした。それで終わりだった」名指しこそしなかったものの、当時酔っていたことが話題になったライコネンがその相手だったことは明らかだ。ヴォルフは続けて、自身の信頼する人物やチームを守るためなら、同じことを繰り返す覚悟があるとも語った。「私はチームと家族にすべてを捧げている。必要であれば、彼らを守るために行動するつもりだ」