2025年F1第10戦カナダGPで、メルセデスのジョージ・ラッセルがポール・トゥ・ウィンを達成。今季初優勝を飾ったこのレースで、日本人エンジニアの桑原克英氏が異例の表彰台登壇を果たし、大きな注目を集めた。決勝ではラッセルが危なげないレース運びでトップを快走し、2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)という順位でチェッカー。
レース後のセレモニーでは、ラッセルのパフォーマンスエンジニアを務める桑原氏がチームを代表して登壇し、ドライバーたちとともにシャンパンファイトを楽しんだ。桑原氏は2020年にメルセデスF1に加入し、2023年からはラッセル専属のパフォーマンスエンジニアとして活動。データ解析、セットアップ、戦略立案など多岐にわたる業務を担い、今季のマシン開発とレースパフォーマンスにおいて中心的な役割を果たしてきた。ラッセルはレース後、「チームとファクトリーの努力に感謝したい」と語り、支えてくれたスタッフに勝利を捧げた。今回の表彰台登壇は、桑原氏の貢献がチーム内でも特に高く評価されていることを示す象徴的な出来事となった。F1の表彰台に日本人エンジニアが立つ機会は非常に稀であり、技術者として最前線で戦うその姿は、今後モータースポーツの世界を目指す日本の若者たちにとって大きな励みとなるだろう。