メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフは、マックス・フェルスタッペンが現在「全員を悠々と負かしている」ことを考えると、チーム無線で「生意気」を言う余裕があると感じている。フェルスタッペンは、最近のベルギーGPで6番グリッドからレッドブルのチームメイトであるセルジオ・ペレスを約23秒差で破り、自身の圧倒的な優位性を強調した。
途中、フェルスタッペンはペレスよりも約1.5秒速く周回していたが、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼからタイヤを温存するよう言われ、2度のチャンピオンはクルーに追加のピットストップ練習を与えるよう提案。ランビアスは彼を黙らせた。しかし、この会話はフェルスタッペンが他のドライバーだけでなく、同じマシンを駆るチームメイトをも大きく引き離していることを改めて思い知らされるものだった。7度のチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンでさえ、フェルスタッペンが「一服してパンケーキを食べる」余裕があるほど前にいることを示唆した。フェルスタッペンとランビアーゼのやりとりについて質問されたヴォルフは「彼には生意気なことを言う理由がある」と答えた。「彼は全員を悠々と打ち負かしと、実力もある。それ以外に言うことはない。一方では、腹立たしいことではあるが、F1の現状はそんなものだ」ヴォルフは、フェルスタッペンが1人でレースを戦っていることを認識しており、この状況から脱却すれば、フェルスタッペンの背後で本物のレースが展開されているため、F1は堅実な成果を上げている一方、メルセデスは妥当な位置にいるだろうということを認めている。「マックスを方程式から外すだけでいい。そうすれば2番手のレッドブルが我々のいる場所になる」とヴォルフは語った。「接戦のレースで素晴らしいシーズンになるだろうが、ストップウォッチは決して嘘をつかない。1台のマシンで、ただ1人、他のすべてに勝る男がいる」「追いつくしかない」メルセデスは、スパ・フランコルシャンでのレースに向けて、フロントの負荷を増やし、ディフューザーへの空気の流れを改善するように設計された最新のフロアを発表した。メルセデスにとって不運だったのは、W14が週末を通じてバウンシングに見舞われたことだ。これは、エンジンカバーやサイドポッドインレットなどのアップグレードとは関係なく、セットアップやサーキットの特性に起因していると考えられている。ヴォルフはメルセデスが現在たどっている開発路線が正しいと確信している。「あのアップグレードを実現するために、空力やオペレーション担当者は多くのハードワークをこなした」とヴォルフは語った。「フロアがバウンシングの原因だったかもしれないが、これからデータを見てみるつもりだ。微調整が必要かもしれない。私はまだ今の方向性は正しいと信じている」「僕たちは一歩前進したと感じているけど、その前にもう一歩前進したトップ(フェルスタッペン)がいる。我々はその事実を覆すしかない」