メルセデスF1チームは、2023年F1マシン『W14』を発表した後、オールブラックのカラーリングに戻った背景には、軽量化の欲求があると述べた。メルセデスは2020年と2021年にかけて、より多様性と反人種主義運動を推進するために、シルバーのアイデンティティから逸脱したオールブラックのスキームを採用した。
2022年にはシルバーに戻したが、2023年のマシンであるW14の発表会ではブラックスキームで登場した。いくつかのチームは、新しいレギュレーションの下でF1の最低重量制限を達成するのに苦労したため、マシンの一部を塗装しないまま、あるいはカーボン剥き出しのままにしている。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、今回のオールブラックの発想は、白い塗装を剥がして“シルバーアロー”と呼ばれる原点となった1934年の“W25”と同じだと語る。当時、ボディはシルバーのアルミだったが、現代ではブラックのカーボンだ。「W14のカラーリングをブラックにしたのは、パフォーマンスのためだ」とトト・ヴォルフは語る。「軽量化のためにあらゆる機会を検討し、このカラーリングにも反映させた。当時、メルセデスは白いマシンが重すぎたため、塗装を剥がし、銀色のアルミニウムを見せることで勝利に導いた」「我々も同じようなアプローチを取った。昨年は重量オーバーだった。今年は、どこを削れば1グラムでも軽くなるかを考えた。歴史は繰り返される。クルマには、生のカーボンパーツや、マットブラックにペイントされたパーツがあるのがわかると思う」「もちろん、2020年にカラーリングを変更する際にも、我々の心のよりどころである多様性と平等性をサポートすることが大きな原動力となった。ブラックという色は、その時点で我々のDNAの一部となったので、その色に戻ることができて嬉しく思う」関連:シルバー・アローとメルセデス
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