メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフがアストンマーティンの株式を購入。メルセデス離脱が噂されるなかで金額にして3700万ポンド(約49億8000万円)の“個人投資”は何を意味するのだろう?トト・ヴォルフは、2013年からメルセデスで指揮を執っており、メルセデスF1チームの30%の株式を取得している。彼はチームをダブルタイトル6連覇という前例のない偉業に導いた。
だが、一部報道では、トト・ヴォルフとメルセデス/ダイムラーの間には修復不可能な亀裂が生じていると噂されている。最近では、アストンマーティンを買収したローレンス・ストロールと親密な関係を築いていることが報じられ、アストンマーティンのプログラムに加わることを検討していると報じられている。昨年、2人はメルセデスのF1チームを買収してアストンマーティンにブランド名を変更すると報じられていたが、それらは正しくないことが判明した。代わりに、単独でローレンス・ストロールがアストンマーティンを買収し、彼が所有するレーシング・ポイントF1チームが2021年にアストンマーティンに改名することを発表している。その後、トト・ヴォルフがアストンマーティンに加わるとの噂に変わった。レーシング・ポイントF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールは、投資家コンソーシアム「Yew Tree」を通して5億3,600万ポンドをアストンマーティンに投資。アストンマーティンの株式の20%の株式を取得してエグゼクティブチェアマンに就任し、2021年からアストンマーティンとしてF1にワークス参戦することを発表している。トト・ヴォルフはアストンマーティンの4.77%の株式を購入。この保有率は資本を調達するためのアストンマーティンによる権利問題に続いて、月曜日に0.95%に希釈される。したがって、トト・ヴォルフはアストンマーティンの個人投資家となり、ブランドの長期株主であるメルセデスの親会社であるダイムラーに加わることになる。メルセデスの親会社であるダイムラーは、アストンマーティンの長期株主であり、同社の5%の株式を保有している。メルセデスはアストンマーティンに市販車用のエンジンを供給しており、利益の相反はない。今回の投資について、メルセデスの広報担当は、トト・ヴォルフのメルセデスのF1チームでの役割に影響を与えることはないと語っている。「金融投資であり、トトのパートナーシップ、メルセデスでの執行役員としての役割に影響は及ぼしません」とメルセデスの広報担当は語っている。トト・ヴォルフ自身は「我々のチームでダイムラーと協力することが私の優先事項だ」と主張した。「ローレンス・ストロールが率いる投資家のコンソーシアムは、財政問題に陥っているアストンマーティンの株式を取得した。しかし、私にとってアストンマーティンに役割は論外だった」「F1で我々のチームはメルセデスブランドに完全に機能しており、すべてが今後数年間は協力していくことを示している」「私は8年間メルセデスにおり、このグループの人々と一緒に働くことが本当に好きだ」「同時にオラ・ケレニウスと今後我々がどのように協力し続けるかについて話し合っている」とダイムラーの新しいCEOであるオラ・ケレニウスとうまくいっていないと噂されているトト・ヴォルフは語った。トト・ヴォルフは賢明なビジネスマンであり、過去20年間に一連の戦略的投資を行ってきた。これには、以前ウィリアムズF1チームの株主であったことも含まれる。そのため、アストンマーティンに投資することも驚きではない。来年、アストンマーティンがワークスチームとして参加するとき、トト・ヴォルフは個人的に2つのF1チームに投資することになる。また、アストンマーティンは、メルセデスからパワーユニット、ギアボックスやその他のパーツの購入し、すでに築いている密接な技術的関係を強化することになる。大方の見方は、今回のトト・ヴォルフのアストンマーティン株購入は純粋な金融投資として位置付けられており、彼の役割とメルセデスとのパートナーシップに影響を与えることはなく、来季以降もメルセデスに留まると考えられている。その結果、現役F1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンが、来季以降もメルセデスに残留する新しい契約に署名する可能性が高まっている。