メルセデスF1チームは、冬の間に2020年型のF1パワーユニットに多くの改良を加えているが、プレシーズンテストに向けた準備としてF1エンジンの“いくつか小さな問題と戦っている”と語る。F1チームは、シーズン中に使用できるコンポーネント数が限られており、オフシーズンはパワーユニット開発にとって重要な時期となる。シーズン中は内燃エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは、2回のアップグレードしかペナルティを科せられることなく実施することができないが、ローンチ仕様の開発は制限されていない。
メルセデスのF1エンジン部門であるHPP(Mercedes AMG High Performance Powertrains)のマネージングディレクターを務めるアンディ・コーウェルは、来週金曜日にW11を発表する前に解決しなければならない問題はまだあると語る。「ブリックスワークでは多くのことが行われており、ERS側、内燃エンジン側に関して、パワーユニット全体で多くの改善が行われている」とアンディ・コーウェルはコメント。「これまで通り、我々はすべてを仕上げる際にいくつかの小さな問題と戦っている。適切な仕様を構築し、エンジンダイナモで長時間走らせ、カスタマーチームがマシンをファイアーアップできるようにパワーユニットを供給し、2月14日のマシン発表でのトラックテストに向かうハードウェアを揃えるために多くの作業が行われている。その後、3台のマシン(メルセデス、レーシングポイント、ウィリアムズ)がトラックで力強く走ってくるおとを期待してバルセロナに向かう。メルボルンに向かうまでに6日間しかトラックテストはない」「それにレースプールでは、アッセンブリーとともにそれらの大量のパーツがすでに作られており、すべてを地球の反対側に届けるというチャレンジがある。パフォーマンスを追求し、そこに信頼性をもたらし、膨大な量のハードウェアを地球の反対側に届けるという忙しい時期だ」メルセデスF1チームは1月28日(火)、テストベンチで稼働させてきたエンジンを2020年F1マシン『W11』に搭載して初始動。2月14日にシルバーストンでシェイクダウンを実施する。一般公開イベントではないが、メルセデスは動画、技術情報、マシンの画像などを当日に公開する。メルセデスは、2014年からコンストラクターズ選手権を6連勝中であり、7連覇を達成すれば、2004年にフェラーリが記録した6連覇を越える。また、今シーズン、メルセデスのドライバーがタイトルを獲得すれば、メルセデスは、1968~1974年にフォード・コスワース以来、初めてドライバーズ選手権で7連覇を達成したエンジンメーカーになる。