メルセデスは、2018年末でDTM(ドイツツーリングカー選手権)から撤退し、2019/2020シーズンからフォーミュラEに参戦することを発表した。2000年のシリーズ発足当初からメルセデスはDTMの中心的な存在だった。2018年末で撤退することで、DTMは2011年シーズン以来となるBMWとアウディという2つのメーカーのみで争われることになる。
「DTMでの我々の年月は、今後もメルセデスのモータースポーツ史における主要なチャプターとして誇りを持っていく」とメルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフはコメント。「その期間中、メルセデス・ベンツを最も成功を収めたマニュファクチャラーにするために力を貸してくれた全てのチームメンバーに感謝したい」「我々全員にとって去ることはタフなことだが、我々は出ていく前にできるだけ多くのDTMタイトルを獲得するために今シーズンと来シーズン中に全力を尽くしていく。我々にはファンのため、そして、我々自身のためにその責務がある」メルセデスは、旧ドイツツーリングカー選手権(ドイチェ・トゥーレンヴァーゲン・マイスターシャフト)に1988年に加わり、1992年にクラウス・ルードヴィッヒとともに初のタイトルを獲得した。現在、2017年の全6台をHWAが運営しており、ゲイリー・パフェット、ルーカス・ディ・グラッシ、ルーカス・アウアー、エルアルド・モルタル、マーロ・エンゲル、ロバート・ウィッケンズが参戦している。メルセデス・ベンツ・パッセンジャー・カーズのマーケティング・コミュニケーション担当責任者のイェンス・ティーマー博士は「DTMからの我々の離脱は、長きにわたるモータースポーツ時代に終わりをもたらす。我々のカスタマー、我々のブランドのために、シリーズをしばしば魅力的なプラットフォームにしてきたチーム、ドライバー、パートナー、舞台裏の多くの人々のコミットメントを誇りを持って振り返る。今、新しい道に着手する時間だ」と述べた。フォーミュラEへのワークス参戦昨年、メルセデスはフォーミュラEとシーズン5(2018/2019)の参戦で当初は合意していたが、実際にはシーズン6から参戦することになった。トト・ヴォルフは、フォーミュラEが“正しい方法でエントリーを準備する”ために“きちんと理解するための時間”を与えてくれたと説明した。また、トト・ヴォルフは、メルセデスのF1へのコミットメントについても繰り返した。最近、メルセデスは長年のタイトルスポンサーを務めるペトロナスとの契約を延長している。「他の全てのカテゴリーと同じように、モータースポーツにおいて我々はプレミアムセグメントのおけるベンチマークとなり、革新的な新しいプロジェクトを探求していきたい。F1とフォーミュラEの組み合わせはそれを届ける」とトト・ヴォルフはコメント。「フォーミュラEは刺激的な新たな冒険のようだ。現在と未来のテクノロジーをプロモートするために、真新しいフォーマットを提供し、力強いイベント特性とレースを融合している」「電化は市販車の世界で起こっており、フォーミュラEは、新たしいオーディエンスにこのテクノロジーをもたらすための興味深いプラットフォームをマニュファクチャラーに提供している。完全に新しい種類のレースであり、他のどのシリーズとも異なる」イェンス・ティーマー博士は「メルセデスは、EQラベルを使用した将来の電池式電気自動車を市場に出す」とコメント。「フォーミュラEは、モータースポーツとマーケティングを通して、我々のEQテクノロジー技術をエモーショナルな回転を与えるだけでなく、我々の魅力的な電池式電気自動車のパフォーマンスを示すための重要なステップだ」フォーミュラEのアレハンロド・アガグCEOは「今日はメルセデスをフォーミュラEファミリーに迎え入れた素晴らしい日だ。電気的な革命に加わるマニュファクチャラーの数は増加している」とコメント。「このステップは、モータースポーツだけでなく、自動車産業全体において、世界がいかに変化しているかを示している。我々は、都市、そして道路における最初の変化を目撃している。フォーミュラEはその変化を示すチャンピオンシップであり、我々はより優れた手頃な価格の電気自動車のために全チームとマニュファクチャラーとともにテクノロジーをプッシュし続けていく」2019/2020シーズン(シーズン6)では、HWAがメルセデスのフォーミュラEチームを運営し、それに先駆けて、HWAは現在ワークスドライバーのマーロ・エンゲルが参戦するヴェンチュリーとのタイアップの一部としてシーズン5からフォーミュラEに参入するとみられている。