バーレーンで行われた2026年F1プレシーズンテストを終え、マクラーレンは新世代マシンに関する安全面の懸念を公にした。チーム代表のアンドレア・ステラは、技術レギュレーションの中に「回避可能な3つの安全リスク」が存在するとして、FIAに対しオーストラリアGP前の早急な対応を求めている。ステラはテスト期間中、トラフィック下での挙動やスタート練習の様子を観察した結果、ドライバーを不必要なリスクにさらしかねない状況が確認されたと説明した。
スタート手順への懸念最初の問題として挙げられたのはスタート手順だ。新型パワーユニットではターボラグやエネルギーマネジメントの複雑化により、消灯時にすべてのマシンが完全な状態で発進できない可能性があるという。「スタート手順によって、すべてのマシンのパワーユニットが確実に作動可能な状態になっていることを保証しなければならない。グリッドは、遅れて発進するマシンがあってよい場所ではない」とステラは語った。この問題は昨年7月のF1コミッションでも議題に上がり、スタート前にグリッド上での準備時間を延長する案が出されたが採択されなかった。フェラーリのフレデリック・バスールが反対したことも背景にあったとされる。フェラーリは既存手順を前提に開発を進めており、変更は不利に働く可能性があった。接近速度の危険性2つ目の懸念はストレートでの接近速度だ。DRSが廃止され、電力配分が50/50に変更されたことで、直線での速度差は限定的となった。その結果、マシン同士が極端に接近した状態が増えている。問題は、前方車両がエネルギー回収のため急減速した場合に発生する。ステラは過去の重大事故を引き合いに出した。「非常に近距離で走行している状況は理想的ではない。過去に見たような事故、例えばマーク・ウェバーのバレンシアでの事故や、リカルド・パトレーゼのポルトガルでの事故のようなシナリオにつながる可能性がある。我々はあのような場面を二度と見たくない」リフト・アンド・コーストの常態化3つ目はリフト・アンド・コーストの増加だ。電力と内燃機関出力がほぼ半々となったことで、エネルギー管理の重要性が大きく増した。その結果、ドライバーが早めにアクセルを戻す場面が頻発し、後続車との速度差が急激に変化するケースが出ている。ステラは、特定の局面における電力使用量の調整など、リフト・アンド・コーストを過度に誘発しない設計への見直しを提案している。「競争より安全が優先」ステラは変更が競争力に影響を及ぼす可能性を理解しつつも、優先すべきは安全だと強調した。「我々は予選の速さやレースペースについて話しているのではない。グリッド上の安全について話している」「競争上の利害よりも重要な問題がある。シンプルな調整で安全を確保できるのであれば、それは当然行うべきだ」これらの議題は来週予定されているF1コミッションで議論される見込みだ。ステラはオーストラリアGPまでに是正することが「不可欠だ」と繰り返し強調している。