マクラーレンのCEOザク・ブラウンは、2025年にレッドブルを退社する著名なF1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの獲得レースには参加しないと宣言した。2025年3月にレッドブルを退社する技術の第一人者であるエイドリアン・ニューウェイは、複数のチームから引き抜きオファーを受けていると見られているが、ザク・ブラウンは、マクラーレンF1チームはニューウェイ獲得レースには参加しないと主張している。
「我々はエイドリアンと契約するつもりはない」とザク・ブラウンはBBCスポーツに語った。「私はチームにとても満足している。エイドリアンは素晴らしい友人であり、偉大な才能の持ち主であり、履歴書(CV)は誰にも負けない。しかし、我々にはここにあるものがある。我々は仕事を成し遂げることができる」エイドリアン・ニューウェイの獲得を狙っているのはフェラーリとアストンマーティンで、イタリアの大手チームは過去にも彼を獲得しようとしていた。チーム代表のフレデリック・バスールは、ニューウェイをマラネロに引き抜くためにマイアミグランプリへの到着を遅らせたという噂もあった。しかし、現在レースをリードしているのはアストンマーティンのようで、オーナーのローレンス・ストロールがエイドリアン・ニューウェイに工場見学をさせている。また、オートスプリントは、ストロールが4年契約で1億ドルを提示したと報じている。ローレンス・ストロールはすでに新しい裏方スタッフに多額の投資を行っており、メルセデス出身のアンディ・コーウェルがグループ最高経営責任者(CEO)として、エンリコ・カルディレがテクニカルディレクターとしてチームに加わっている。エイドリアン・ニューウェイが設計したマクラーレンは、1998年と1999年にミカ・ハッキネンをドライバーとして起用し、ドライバーズチャンピオンシップで優勝した。65歳のエイドリアン・ニュウェイは、マクラーレンでの成功の歴史を自身の業績として誇ることができる。1997年にウィリアムズからチームに加わったマクラーレンは、6年ぶりに世界選手権で優勝し、1998年にはミカ・ハッキネンを擁してコンストラクターズおよびドライバーズ選手権で優勝した。フィンランド人のハッキネンは、1999年にも優勝を繰り返した。エイドリアン・ニューウェイがチームで設計した他のマシンもタイトル獲得に迫る活躍を見せ、2000年にはハッキネンが3年連続の王座を逃し、2003年と2005年にはライコネンが同様に王座に迫った。2004年末にマクラーレンを離れたエイドリアン・ニューウェイは、2005年のデビューシーズンに参戦したばかりのレッドブル・レーシングに加わった。ミルトン・キーンズを拠点とするこのチームは、それ以来、長きにわたって支配的な地位を維持し、ドライバーズ・チャンピオンシップで7回、コンストラクターズ・チャンピオンシップで6回の優勝を果たしている。しかし、エイドリアン・ニューウェイは変化の時が来たと考え、チーム内のトラック外での混乱に関する噂や憶測が飛び交う中、来年初めにチームを去る意向を5月に発表した。最近、スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーもチームを去り、アウディの新しいF1プロジェクトのチーム代表に就任することが発表された。