マクラーレンのF1チーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、従業員を一時解雇するのは“厳しい”決断だったが、チームの将来を守るためには不可欠だったと語る。今月初め、マクラーレンは従業員の一時解雇を含めた一連のコスト削減策を実施した最初のチームとなった。ドライバーを務めるカルロス・サインツとランド・ノリスは自発的に給与削減を申し出た。
新型コロナルイルス危機によって2020年のF1世界選手権の開幕から9戦が延期・中止になったことでF1チームの財政的な負担は増大している。我々がこのような決定を下したのには理由がある。以前にも述べたように、状況はまだ明確にはなっておらず、この危機の財政的影響がどのようなものになるか正確に知ることは単純に不可能だ」とアンドレアス・ザイドルは説明する。「現時点で我々がレースをすることがないことはわかっている。今年は収入を失うことになる。この危機が終わったときに可能な限りベストの状態で再開することができるように、人員を保護し、チームを適切な位置に保ち、様々な対策を講じる必要があった。それらの対策のひとつが従業員を一時解雇することだった」「従業員に一時解雇を告げ、また給与の減額を伝えることは、私の実務生活で行わなければならなかった最も困難な決定、事柄のひとつだった。だが、ザク(ブラウン)とともに、それがチームを可能な限り保護するためにしなければならない決断であることは明らかだった」「我々が収入を失うことは確実にわかっているので、ピットレーンのすべてのチームが現在、すでにそれをどれくらい深刻な問題であるかをわかっていると思う」「F1チームの資金調達の大部分は収入から来ている。我々はマクラーレンとしてこの危機を乗り越えるために必要であると考えるすべての措置を今後も引き続き実施していく」「我々は給与カットを実施し、一部の従業員を一時解雇している。それらが給与面で行われていることであり、また、現時点でシャットダウンに関して他チーム、FIAと合意できていることは大きな助けになっている」「現時点で実施しているこれらのすべての対策が、この危機を乗り切るのに役立つと楽観視している」マクラーレンF1チームのCEOであるザク・ブラウンは、新型コロナウイルスの状況に適切に対応しなければ、F1は最大4チームを失う可能性があると警告している。ザク・ブラウンのそ発言について質問されたアンドレアス・ザイドルは、F1チームは“大きなリクス”に陥る可能性のあると主張した。「それは単なる恐れではなく、現実だと思っている。この危機によってチームを失う可能性があるという大きなリスクがある」とアンドレアス・ザイドルは語った。「これまでのところ、今年の収入がどうなるかはわからない。いつレースに復帰できるかもわからない。もちろん、できるだけ多くのレースに参加できることを願っている。「我々がジャン・トッド(FIA会長)のリーダーシップに感謝しているのはそのためだ。今は、大きな決断を下し、将来の予算上限のレベルに関してもう一歩大きく踏み出すことが重要だ」「それは今年の助けになることはできない。今年はコストを節約するためにマシンの凍結などの他の短期的な対策が必要だが、少なくともそれはこの危機を乗り切るためのチームF1に参加するすべての人に将来的にはスポーツがより持続可能で健康的であるという見通しが与えられる」