マクラーレンは、ホンダとの決別したことは“高くつく”決断であり、それによってマシンパフォーマンスが上向くこともなかったが、将来のためには正しい判断だったと主張する。ホンダとワークスパートナーとして厳しい3シーズンを過ごしたマクラーレンは、2018年からマクラーレンのカスタマーになることを選んだ。
ホンダとの決別によって、マクラーレンはホンダからの財政的な貢献と無償でのエンジン提供と失い、さらにルノーにパワーユニットの代金を支払わなくなった。それによるマクラーレンの純損失は1000万ポンド(約15億2350万円)にのぼると報じられている。また、ホンダからルノーに変更したことで、マクラーレンのシャシー側の弱点と組織の問題が露わになり、チームのマネジメント改革へと繋がることになった。その間、ホンダはトロロッソとのパートナーシップのなかで信頼性とパフォーマンスを大幅に向上させ、レッドブル・レーシングは2019年からホンダのF1パワーユニットを採用させることを納得させた。しかし、マクラーレンの執行会長兼執行委員会代表を務めるシェイク・モハメド・ビン・イーサ・アール・ハリーファは、“高くつ決断”だったが、“会社の長期的な利益”のためであり、ホンダとのパートナーシップを解消したことに後悔はしていないと語る。「一方ではフラストレーションを感じた。だが、その一方で、我々はこれにコミットしている。我々が目指したやり方は変化を起こすということだった」とシェイク・モハメドはコメント。「ホンダには尊大な敬意を抱いたが、パートナーシップは機能しなかった。我々は礼儀正しい議論を行い、袂を分かつことに決めた」「我々にとって高くつく決断だったが、それは会社の長期的な利益のための決断だった。だから、我々は決断に後悔はしていない」「だが、我々は苦難を乗り切りこえていく。我々はレーサーであり、フラストレーションを感じるが、とにかく力を得ていかなければならない」厳しい2018年を終え、シェイク・モハメドはチームとしてのマクラーレンの活動により関心を示すようになったと語る。「私は詳細と理解により関わっている。私はレーサーであり、ダウンフォースの数値、ヒーブサスペンションといったものの複雑な計算を楽しんでいる」と語るシェイク・モハメドは、マクラーレンの問題の迅速な対応策はないと理解しており、問題を見極めるために辛抱強くに取り組んでいくと語る。「私は2000年からF1パドックにいるし、我々は2007年からオーナーを務めている。人々は『変更すべきだ、こうするべきだ』と言っている」「だが、私は十分に長くここにいるし、早合点して行動することが解決策ではないことくらい認識している。情報に基づいた物事を修正する方法の段階的なステップであり、我々はそれを試みようとしている」「経営陣の役割はチームを管理することだ。我々はリソースを提供するためにここにいるわけだし、それが私が推し進めてきたことだ。必要なものを聞き、それをサポートすることに合意してきた」「我々はそれを最後までやり通していく。我々はレーサーなのでフラストレーションを感じるが、とにかく力を得ていかなければならない」マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、シェイク・モハメド・ビン・イーサ・アール・ハリーファがより密接に関与していることがチームの助けになっていると考えている。「CEOには様々なスタイルがある。会長とともに積極的に関与していくのが私のスタイルだ。会長を驚かせることはない」とザク・ブラウンはコメント。「バーレーン人にはスポーツで非常に長い歴史があるし、私は彼らのインプットを評価し、彼らのインプットと影響力をと求めている。非常に素晴らしい作業関係だ。『私がボールを持っている。とにかく私に実行させろ』と考えているCEOもいるが、それは私のスタイルではない」「多くのエリアでシェイク・モハメドは助けになっているし、私は彼の影響力を生かすために関与することを求めている」